高齢者世帯の収入は?=公的年金の比率低下、賃金や個人年金は上昇-厚労省調査
2020年07月21日 16時31分
(図1)「公的年金・恩給が総所得に占める割合」
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
厚生労働省が17日発表した「2019年国民生活基礎調査」によると、公的年金・恩給を受給している高齢者世帯で、「公的年金等の総所得に占める割合が100%の世帯」は48.4%(16年調査は54.2%)に低下した(図1)。定年退職後も働く高齢者が増加、自助努力で資産形成する人も増えており、老後の収入は公的年金だけという世帯は半分以下になった。
(図2)高齢者世帯の所得構成比
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」
調査によると、高齢者世帯(65歳以上)の平均所得は312.6万円(前年比6.7%減)だった。内訳をみると、公的年金等は63.6%(3年前の16年調査は65.4%)に低下する一方、稼働所得は23.0%(同21.1%)、企業年金・個人年金等は6.2%(同5.5%)にそれぞれ上昇した(図2)。
高齢世帯に生活意識を尋ねたところ、「生活が苦しい」とする回答は51.7%で、16年調査(52.0%)とほぼ同水準だった。(了)