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シニア世代の6割が「老後資金に不安」=廣瀬副会長「シニア世代こそ投資を」-お金のデザイン調査

2022年12月19日 12時15分

廣瀬朋由お金のデザイン取締役副会長

 投資一任で資産運用するロボットアドバイザー「THEO[テオ]」を運営するお金のデザイン(本社東京)が実施したアンケート調査で、シニア世代の約6割が老後資金に不安を感じていることが分かった。資金の準備方法を尋ねると、定期・普通預金が約6割を占めていた。

 廣瀬朋由お金のデザイン取締役副会長は、調査結果について「金利がほとんど付かない預金では、老後は単に資産を取り崩すことになり、元本が減り、不安になる。長寿と手持ち資金の消化の間でせめぎ合うシニア世代こそ、投資に向き合うことが重要だ」と分析。

 投資の考え方について「資産運用というとキャピタルゲイン(値上がり益)狙いで怖いと思われがちだが、比較的高い配当を受け取り、なるべく元本を崩さないという運用もある。シニア世代にとって投資は、『預金がなくなるかもしれない』という不安に駆られずに、今より少し豊かに安心して生活するための手段といえる」とアドバイスしている。

 調査は、今年11月に50~70歳代で、保有金融資産が1億円未満の男女1000人を対象にインターネットで実施した。

◆老後資金が不安、「50代女性」で8割超える

(出所、お金のデザイン)(クリックで表示)(出所、お金のデザイン)(クリックで表示)
 


 老後資金について尋ねたところ、全体では65.6%が不安を感じていることが分かった。特に、不安と感じている人は女性に多く、50代女性では82.0%が、60第女性では72.4%を占めている。

◆不安の原因、「介護・医療費の負担」がトップ

(出所、お金のデザイン)(クリックで表示)(出所、お金のデザイン)(クリックで表示)
 

 老後資金について不安を感じる点については、「介護・医療費の負担」が58.7%でトップだった。次いで「年金が少ない/減らされるかもしれない」が56.1%、「何歳まで生きるか分からない」が44.1%だった。インフレが進行する中で「食費・生活用品の高騰」(38.0%)、「貯金がなくなる可能性がある」(35.7%)を挙げる人も多かった。

◆金融資産額、1000万円未満が半数占める

(出所、お金のデザイン)(クリックで表示)(出所、お金のデザイン)(クリックで表示)
 


 調査の中で、金融資産額を尋ねたところ、1000万円未満が53.0%を占めた。全体平均は1724万円だった。

◆安心だと思える資金額、4113万円

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 「安心だと思える資金額」を尋ねたところ、平均で4113万円だった。実際の保有資産の平均と比較すると、2倍以上の差があった。

◆お金の管理、「定期預金・普通預金」が6割

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 お金の保有方法については「定期預金・普通預金」が61.9%とトップ。次いで「株式投資」が30.0%、「投資信託」が27.8%だった。

◆「残りの投資期間はどのくらいあるか」

 廣瀬氏は、老後資金の計画について「退職後の生活は約10~40年間と、最大で現役時代とほぼ同じ期間を『老後』として過ごすことになる。このため、投資は『開始時期はいつがベストか』と考えるより、『残りの投資期間がどのくらいあるか』を考える方が重要 だ」とアドバイスしている。

 また、「夫婦で生活しているならば、家庭のお金の情報を率直に共有できる夫婦関係の構築が不安解消の近道だ。不安を抱えたままで今後の資産計画を決めることは、さらに不安を増幅させるといった悪循環につながり、自信を持った資産形成プロセスに進めない可能性もある」と指摘。「投資を正しく理解し、資産運用を始めるということを視野に入れてみてはどうか」と話している。

 

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