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Z世代で環境への関心高まる=価格プレミアムが2割に上昇-UBS証券が意識調査

2022年12月19日 12時00分

守屋のぞみアナリスト

 UBS証券が実施した消費者意識調査によると、10~20歳代前半のZ世代で、環境や脱炭素への関心が年々高まっていることが分かった。Z世代では、「環境に配慮した商品」の販売価格に対して、限界的に許容できるプレミアム(上乗せ価格)が19.8%(前回調査は12.2%)に急上昇した。調査は、全国の男女1000人に実施した。

 この調査で、「環境に配慮した商品」に対する購入姿勢を尋ねたところ、18~24歳では「より高い価格を支払う」と回答した人の割合が82%と前回調査(79%)を上回った。前々回の70%から着実に増加している。「全年齢平均」や「55歳以上」では、いずれも横ばいか、やや低下しており、若年層の脱炭素・持続可能性に対する関心の高まりが目を引く結果になった。

2023年、日本の焦点:脱炭素・持続可能性に受けた機運が高まる2023年、日本の焦点:脱炭素・持続可能性に受けた機運が高まる(クリックで表示)

 株式調査部の守屋のぞみアナリストは「Z世代を中心とした若年層で、ESG・SDGsの重要性や、環境対応・社会的責任に対する付加価値意識がさらに高まっていることが確認できた」と分析、「消費関連企業にとって、ESGの向上は、投資家の評価に留まらず、現在の若年層を中心に長期的に消費者の支持を集め、企業価値に資すると考える」と話している。

 例えば、ファーストリティリングが展開でする衣料品店のユニクロは、①フリースの全ての素材を100%リサイクルのポリエステル素材に仕様変更した上で、販売価格を値上げした ②値上げと前後して、正社員登用の充実とパート、アルバイトの時給アップ、労働生産性の向上に取り組んでいる-など、ESG配慮した経営へと事業変革を進めているという。また「2050年にカーボンニュートラルを目指す」などの具体的な目標を発表している。

 

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