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投信の「次の一歩」へ道案内=浜田好浩氏著「実務必携 投資信託業務のすべて」

2022年11月14日 09時00分

浜田好浩氏

 三井住友トラスト・アセットマネジメント理事の浜田好浩氏は、投資ビジネスを総合的に解説した「実務必携 投資信託業務のすべて」を上梓した。投信業務に約30年間従事し、新しい発想で多くのファンドを生み出してきた著者が、一般的な投信入門書を越えて「次の一歩」へと導く専門的な内容を、分かりやすくコンパクトにまとめている。

 内容は全5章で構成されている。第1章から第3章は、「投信の現在」を扱っており、第1章では、投信の商品分類や売買等の取引、ブラインド方式など基礎的な定義、決まり事を紹介している。第2章は、投信の諸法令・ルールのうち、分配原資に関するものなど重要なものに絞って解説した。第3章は、投信の運用戦略体系とパフォーマンス測定法など証券投資理論の基礎的な部分を紹介している。

 続く第4章は、「投信の過去」だ。数々のヒット商品の栄枯盛衰を記述している。「日本の投信業界は振り返ってみれば、その時々の金融経済環境に即応しさまざまな金融テクニックを駆使してより魅力的な商品を開発してきた歴史だと言える」(浜田氏)。最後の第5章は「投信の未来」について、ファンドラップや上場投資信託(ETF)、パッシブトレンド、保険融合など、現在進行形で拡大発展している事柄に触れた。

 浜田氏は「この本さえ読めば投信業界のある程度の知識が網羅的に習得できる総合実務テキストを目指した。運用会社や販売会社といったいわゆるインベストメントチェーンに従事されている方のみならず、将来資産運用を目指す学生や投資信託という金融商品に関心を持つ一般の方すべてを対象とできるように、内容には配慮した」と話している。

実務必携 投資信託業務のすべて



<目次>
■第1章■ 日本の投資信託の基礎知識
1 世界の投資信託vs.日本の投資信託
2 日本の投資信託の全体像
3 投資信託の種類と分類
4 投信の取引の実際(購入、換金、償還、税務)
5 投信に係るコスト
6 投資信託の関係者(インベストメントチェーン)
7 運用の外部委託
■第2章■ 投資信託に関する法令・制度・ルール
1 投信に関するルールの全体像
2 特定資産と有価証券
3 公募と私募
4 分配金に関するルール
5 ファンドの希薄化と信託財産留保額
6 ファンド名称と商品性に対する法的保護(商標と特許)
7 ファミリーファンドとファンド・オブ・ファンズ
8 複雑な投信
9 外国投信(外国籍投信)
■第3章■ 投資信託の良しあしの見分け方
1 商品性は目論見書で把握
2 運用成果は運用報告書よりも月次報告書で把握
3 運用戦略の種類と目標
4 運用実績(トラックレコード)の見方
■第4章■ ヒット商品の栄枯盛衰
1ヒット商品とは
2 資産別パフォーマンスと資金流出入動向
3 過去のヒット商品の系譜
4 毎月分配型投信
5 毎月分配型外国債券ブーム
6 毎月分配型高配当株式ファンドブーム
7 通貨選択型投信ブーム
8 カバードコール型投信ブーム
9 リスク限定型投信ブーム
10 新興国株式ファンド
11 ESG関連ファンド
12 ご当地ファンド
13 オルタナティブ投資型投信
14 フロア確保型ファンドと元本確保型ファンド
15 テーマ型ファンド
16 目標払出し型と予想分配金提示型投信
17 ファンドラップとラップ型ファンド
■第5章■ 今後のファンドビジネスをめぐる動き
1 運用エンジンをめぐる三つ巴の戦い
2 パッシブトレンドと運用会社の合従連衡
3 拡大するETF
4 ファンドラップとロボアドバイザー
5 投信販売チャネルと投資家の多様化
6 保険と投信の融合
7 投信ビジネスの未来

 

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