社会人への金融教育が重要に=インフレなど環境変化で-日本FP協会の白根理事長
2022年09月16日 09時00分
日本FP協会は「人生100年時代、アフターコロナを見据えた取り組み」をテーマにメディア説明会を開催した。
白根壽晴理事長は、現在の経済環境について「新型コロナウイルス感染の終息が見えない中、ロシアによるウクライナ侵攻でエネルギー価格が高騰し、食品価格も上昇している」と分析。「生活者の平均年収が伸び悩む中で、インフレの環境が強まることは、ライフプランにとって非常に大きな課題だ」と警鐘を鳴らした。
その上で「日本人はデフレに長く慣らされてしまい、健全な危機感を持って、家計管理や資産形成に向き合うことが不足していた。大きく経済環境が変化する中で、ファイナンシャルプランニングの啓発と普及を図るFPの役割がますまる大きくなったと考えている」と述べた。
今春から高校の学習指導要領に家計管理や資産形成が取り入れられ、日本の金融教育が本格的にスタートした。金融庁も8月に発表した「2022年事務年度 金融行政方針」の中で、金融教育を国家戦略として推進することを提唱している。
白根理事長は「課題が多いのは社会人に対する金融教育だ。高齢者は年金と預金の取り崩しで生活しておりインフレに弱いライフプランになっている。低所得の世帯でもインフレに対する対応が必要だ。社会人に対する金融教育について、行政や金融機関と一緒に取り組んでいきたい」と述べた。