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三菱UFJ国際投信、サブコミッティを新設=プロダクトガバナンスの高度化を推進

2022年08月26日 09時00分

村上直実氏 三菱UFJ国際投信

 三菱UFJ国際投信は、投信の品質管理(プロダクトガバナンス)の高度化を目指し、「プロダクトガバナンス・サブコミティ」を新設した。外部の有識者も参加し、四半期ごとに開催する。金融庁が5月に発表した報告書「資産運用高度化プログレスレポート2022」でもプロダクトガバナンスがテーマの一つに取り上げられた。三菱UFJ国際投信 経営企画部の村上直実副部長に、設立の狙いなどを聞いた。

-プロダクトガバナンスとは何か

村上氏 一義的には、「投資信託ごとの、提供価値の明確化と品質管理」のことであると考えている。ファンドの「組成→提供→管理」のライフサイクル全般において、お客さまの利益を最優先した業務運営を徹底することだ。

 当社は、これまでも投資信託の組成・提供・管理の各業務において、ガバナンスの確立を目指してきた。例えば、「商品企画委員会」ではファンド設定前の商品性の確認やファンド設定後の商品性改善、信託報酬の見直し、繰上げ償還の判断等を行ってきた。

 また、「運用管理委員会」においては、ファンド設定後の運用に起因するパフォーマンス動向の把握や、運用不振ファンドの特定・フォローアップなどを実施してきた。加えて、外部有識者を招聘して開催する「アドバイザリー・コミッティ」を設定し、お客さま視点からの見方や声を、業務運営に反映させる仕組みを取り入れてきた。

 足元、「資産運用業高度化プログレスレポート2022」において金融庁がポイントとして示した以下の3点を軸に、管理の高度化を進めている。具体的には、①顧客利益を最優先した商品組成 ②顧客への商品内容・運用状況のわかりやすい説明 ③パフォーマンス評価を含めたコスト削減・採算性の精緻化・償還判断等の運用管理徹底の実現-だ。

 今後新設する投資信託のみならず、既存の投資信託の品質管理にも順次適用していく。

-プロダクトガバナンス・サブコミティ設立の狙い

村上氏 これまで投資信託は、特に若年層の個人投資家への普及が進まなかった。しかし、足元、「つみたてNISA」や「iDeco(個人型確定拠出年金)」などの制度を利用しての積み立て投資が、若年層へも徐々に広がっていることが確認できる。

 主に個人投資家が保有対象となっている「公募株式投信(除くETF)」の業界全体の残高は、60兆円台を長い期間にわたり超えることができずにいが、2020年12月に初めて70兆円を突破、22年7月末では85兆円まで拡大している。

 その中で、個人投資家の積み立て投資にも活用されていると推測される、主にネットで取り扱われている「ノーロードのインデックスファンドシリーズ」の残高も、20年12月末の約2.6兆円から、22年7月末には約7兆円の規模に拡大しており、業界全体の中でも順調に残高を伸ばしている(三菱UFJ国際投信調べ)。

 このように投資信託は、金融のインフラとして徐々に認知・利用が拡大しており、ノーロードインデックスファンドの「eMAXISシリーズ」を擁する当社においては、個人の投資家の目線に立った投資信託の運営が、さらに重要になると考えた。

 投資信託が金融インフラとして定着するためには、個人投資家の目線による商品設計、運用パフォーマンスの測定、開示が必要であると考え、その取り組み高度化に向けて今般「プロダクトガバナンス・サブコミティ」を設立した。

-プロダクトガバナンス・サブコミッティの運営は。

村上氏 プロダクトガバナンスにおいてお客さま(個人投資家)の目線を重視する考え方は、「お客さま本位の業務運営」と一致すると考え、フィデュ―シャリー・デューティー推進委員会の傘下に当サブコミッティを設置して、四半期ごとに開催する。

 サブコミッティの委員長は取締役社長が務め、社内の関係役員が参加、また、社外取締役を含む外部有識者も議論に参加していただき、ご意見をいただく。議論の結果は経営会議、取締役会に報告し、プロダクトガバナンスの改善に努めていく。構成員は10人強となる予定だ。

-議論のテーマは。

村上氏 社内の各委員会(現段階では、先述の商品企画委員会と運用管理委員会を想定)で審議・報告される「プロダクトガバナンスの取り組み状況」のモニタリングを行うと同時に、適宜プロダクトガバナンスに関して優先的に取り組むべきと判断したテーマについて議論を行う。議論するテーマについては、来年度以降、年次で開示をする予定だ。

-金融庁の「資産運用業高度化プログレスレポート2022」に、プロダクトガバナンスが取り上げられたが。

村上氏 投資家保護の徹底に向けた運用会社の受託者責任の明確化や、投資家に的確な投資行動を促すため運用会社等による十分な情報開示が必要であることなど、「顧客利益最優先のメッセージ」であったと見ている。

 以前から当社として「取り組めている部分」がある一方で、「お客さまの利益の最優先」に向けて、「改善・高度化の余地が考えられる課題」もある。会社全体で議論を行い、対応していく所存だ。

【三菱UFJ国際投信】プロダクトガバナンスの高度化に向けた取り組みについて
https://www.am.mufg.jp/text/release_220701.pdf

【金融庁】「資産運用業高度化プログレスレポート2022」の公表について
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220527/20220527.html

 

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