団塊ジュニア、豊かな未来のけん引役に=「つみけん2021報告書」を公表-投信協会(上)
2022年07月14日 09時01分
投資信託協会の「すべての人に世界の成長を届ける研究会(通称:つみけん)」は、2回目の報告書をまとめた。「『すべての人が資産形成を実践している安心で豊かな未来社会』の実現をけん引するのは、団塊ジュニア世代だ」として、目標達成に導く8個の行動「つみけんActions」と12のアイディア~をまとめた。
この研究会は、2010年に「『長期・分散・積み立て』による資産形成を実際の行動に」をスローガンに、千葉商科大学人間社会学部の伊藤宏一教授らをメンバーに発足した。昨年発表した1回目の報告書では、20年後の「2041年の資産形成のありたい姿」を描き、「現役世代の金融資産を2倍にする」などの5個の「つみけんTargets」を掲げた。
今回の報告書は、この「ありたい姿」と「5個のTargets」の実現に向けて、人口が多く社会の中核を担う「団塊ジュニア世代」に焦点を当てて、議論を進めた。1971~74年に生まれの彼らは、50歳前後に達しており、リタイア期を前にこれからの20年間の資産形成が特に重要なためだ。
報告書は、団塊ジュニア世代が抱える課題を分析し、この世代の資産形成を加速させるため、投資を実践する個人と、それをサポートする企業・金融機関・政府に速やかに実行してほしい行動を、8個の「つみけんActions」にまとめた。
具体的には、個人に対して「ライフプランの作成」と「金融リテラシーの習得」を促す。企業は従業員に「資産形成支援」と「金融教育」を実践する。金融機関は「顧客本位の商品・アドバイス」や「デジタルツールを使ったすべての人に向けたサービス」を経営戦略の軸に据える。政府は「税制優遇や資産形成支援制度の拡充」と「効率的なインセンティブ(誘因)の付与」を行う。
さらに報告書では「これらの対応は、団塊ジュニア世代だけでなく、すべての世代を目標達成に導く道筋になる」として、対象を若年層やシニア層に広げ、それぞれの世代に合わせて8個の「つみけんActions」を推進していくことを提言している。
【投資信託協会】「すべての⼈に世界の成長を届ける研究会」(通称:つみけん)2021の報告書の公表について
https://www.toushin.or.jp/topics/2022/22602