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「老後のお金」を考える=5大学で出張講義-キャピタルの小泉社長

2022年06月21日 09時00分

小泉徹也社長

 米系運用会社のキャピタル・インターナショナルは、岩手大、岡山大、信州大、福島大、琉球大で、「老後のお金」について考える出張講義を開催している。小泉徹也社長にその狙いや学生の反応などを聞いた。

-講義の狙いと内容は。

小泉社長 これからの日本を創っていく大学生に、自分の人生や自分の将来について、社会に出る前に考える機会を持ってもらいたいと考え、このプロジェクトをスタートした。講義では、慶応義塾大学の森戸英幸教授が「引退後の社会保障制度」について、私が「個人の資産形成と資産運用会社の役割」について、それぞれ話している。

 今回は、法学部の学生を中心に講義を行っているので、「日本に長期積み立て投資を定着させ、誰もがエキサイティングな老後を過ごせる社会にするための政策案」を考えてもらうコンテストを実施し、さらに深く学んでもらう。

 公的年金などの「公助」や企業年金などの「共助」だけでは、老後の備えとしては不十分であり、自分で資産形成する「自助」が必要だ。特に強調しているのは、「時間は絶対に取り返せない」ということだ。早い段階からアクションを起こして、30年、40年といった長期の資産形成に取り組むことが大切だ。

-資産運用のイメージは。

小泉社長 学生に資産運用のイメージを聞くと「投資は怖い」「自分の周りに投資をしている人がいないし、私はお金持ちではないので関係ない」「すごく遠い存在」といった声が聞かれた。一方で、「まだまだ先の話だが、自分の老後は不安だ」「少子高齢化が進む中で、自分の老後がどうなるか想像できない」と思っている。また、「投資をしている人と投資をしていない人で貧富の格差が広がっているのではないか」と心配をしている人もいた。

-日米の金融資産の現状は

小泉社長 お金を銀行預金にしておくのと、投資信託で運用するのでは、将来の資産残高に大きな開きが生じる可能性がある。実際、日米の個人金融資産を比べると、米国は過去30年間で5倍になっているが、日本は2倍弱にとどまっている。

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-日米で差が広がった理由は。

小泉社長 米国では早くから、税制上の優遇を受けながら、給与等の中から毎月一定額を自動的に積み立てる確定拠出年金(DC)のような制度が整備されていた。それを利用することで、毎月、少額のお金を長期にわたって積み立て投資することができた。また、従業員が資産運用に迷ったときに相談できる仕組みやアドバイザーが周りにいたことも、日本との大きな違いになっている。

 私は1997年から5年間、米国でDCのマーケティングをやった。その際、DCに加入する従業員の方たちが熱心に資産運用に取り組んでいることを知り、日本でも「誰もが投資を身近に感じ、資産形成に取り組む文化を作りたい」と考えた。

-説明の工夫は。

小泉社長 講義では、米国で教師をした後、リタイアした女性が自らの資産形成について語ったインタビュー動画を見てもらった。彼女は「毎月少額から積み立てをスタートし、昇給のたびに積立額を増やした。給与天引きで、自動的に積み立てができたので、無理せずに資産形成できた。相場が急落したときも、アドバイザーがいて、『大丈夫だよ』と声を掛けてくれたので、心強かった」と話している。また「投資が成功したので、退職後に世界を旅したいという夢がかなった」と喜びを語っている。

-学生の感想は。

小泉社長 こうした事例を見ると、「資産形成はお金持ちがやることだ」と思っていた学生からも、「投資が身近になった」「自分にも投資ができそうだ」「早くから自ら行動することが重要だ」といった声を聞かれた。また、「投資は、私たちが暮らす社会を豊かにしてくれることが分かった」といった投資の社会的な意義について、理解を深めてくれた学生もいた。

【動画】退職後の夢は世界中を旅すること=キャピタル・グループ
https://www.capitalgroup.com/advisor/jp/ja/insights/video/af-joycekimura-jp.html

 

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