ウォール・ストリート・ジャーナル
コモディティコンテンツ

マーケットニュース

米国のIFAが使うポートフォリオ分析、日本で展開=JPモルガンAM・りそな銀行

2022年05月27日 09時00分

 米系大手運用会社J.P.モルガン・アセット・マネジメントは、米国で独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)に提供しているポートフォリオ分析ツールを、日本で初めて提供する。お客さまの保有資産を診断し、より堅固なポートフォリオを構築してもらう狙い。この米国で開発したツールを、りそな銀行と協業して日本のお客さま向けに改良した上で、同社が全支店に導入した。

(図1)ポートフォリオ診断 地域配分(図1)ポートフォリオ診断 地域配分

 りそな銀行執行役員の原藤省吾氏は「資産運用コンサルティングの先進国である米国で、多くのアドバイザーに選ばれているツールを導入することにより、従来に増して質の高い分析をお客さまにお届けすることができると考えている」と話している。

 このツールの名前は「デジタル・ポートフォリオ・インサイツ(通称dPI)」。米国では2018年からIFAなどに広く利用されている。「お客さまの保有する公募投信のポートフォリオ」と「理想のポートフォリオ」を比較して、改善点を診断してくれる。また、担当者がお客さまと対話しながら改善点を分かりやすく説明できるように、図表や資料についても工夫している。

 具体的にみると、このツールには日本で販売されている全ての追加型投信の運用データが登録されており、ファンド名と各ファンドの保有割合(または金額)を入力すれば、お客さまの投信ポートフォリオ全体の資産配分や地域配分などが「見える化」される。その上で、お客さまのリスク許容度や運用方針に合わせて、「積極型」「慎重型」など中長期の目線で構築した理想のポートフォリオを選択すると、両者を比較して自動でポートフォリオを診断してくれる。(図1)

 診断内容は、例えば「投資先の地域配分の偏り」「リターン・リスクの要因分析」「運用効率(シャープレシオ)やトータルリターンの比較」「(過去の急落局面の市況を使った)ストレステスト」など20項目に及ぶ。このツールでは、使いやすさを重視し、特に重要な3項目をピックアップし、ポートフォリオの改善点を表示させる画面を設けている。

(図2)ポートフォリオ診断 重要項目と資料(図2)ポートフォリオ診断 重要項目と資料

 さらに、担当者がお客さまと対話を進める際、分かりやすく説得力のあるアドバイスができるように、J.P.モルガン・アセット・マネジメントが世界経済や金融市場動向をまとめた資料集「Guide to the Markets」の関連ページが表示される(図2)。

 また、これらのデータは、プリントアウトしてお客さまに提供したり、お客さまごとに保存して継続的なアドバイスに活用したりすることができる。

 J.P.モルガン・アセット・マネジメント日本法人専務執行役員の髙橋尚久氏は「日本においても、プロダクト中心から資産運用アドバイスへと潮流が変わる中、お客さま一人ひとりのライフプランに合わせたゴールベース・アプローチの販売スタイルが広がってきており、より質の高いポートフォリオ分析へのニーズが高まっている。このツールを日本にも導入することで、中長期の資産運用の拡大に寄与したい」と話している。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]