3月末の投信残高、5.5%増の163兆円=3カ月ぶり増加-投信協会
2022年04月14日 10時00分
投資信託協会がまとめた3月末の公募投信残高は、前月比5.5%増の163兆0827億円となり、3カ月ぶりに増加した。昨年12月に記録した過去最高(164兆5000億円)に次ぐ、過去2番目の規模だった。
日米の株価が上昇、為替が円安に振れたことで、運用増減額がプラスになった。また、設定から解約等を差し引いた資金増減額は9258億円の純資金流入となり、59カ月連続の流入超過と、過去最長を更新した。
松谷博司会長は、高水準の資金流入が続いている理由について、「確定拠出年金(DC)や少額投資非課税制度(NISA)を通じて、『市況のいかんにかかわらず長期に投資していこう』という資金の流入が安定的に続いていることに加えて、価格が下がったところで購入しようという個人投資家の逆張りの資金が入っているためだろう」と分析した。
その上で「『10年先、20年先の目標を持って、長期投資をしていこう』と呼び掛けてきた。マーケットが混乱して市況が乱高下した場合でも、『あわてるな。ここで投資を止めてはいけない』という考え方が、日本の個人投資家に浸透してきた結果だと思う」と指摘した。
3月末の公募株式投信(除くETF)は87.1兆円だった。年度ベースでみると、前年同期比15.4%増になった。また、昨年度の資金増減額は9.5兆円の純資金流入となり、2006~08年度の10兆円台に次ぐ、高水準を記録した。
公募株式投信(除くETF)は、主に日銀や機関投資家が保有するETFを除いており、個人投資家の動向を把握しやすい。昨年度の資金増減額(9.5兆円)を商品分類別にみると、トップは「海外株式型」で4.3兆円の純資金流入、2位は「内外株式型」で3.4兆円の純資金流入、3位は「内外資産複合型」で1.4兆円の純資金流入だった。米国株式に投資するファンドや、世界の株式に分散投資するファンド、バランス型ファンドなどが人気を集めた。