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投信保有者、27%に上昇=若年層の伸びが目立つ-投信協会アンケート①

2022年03月30日 14時00分

 投資信託の保有状況(1) 投資信託の保有状況(1)(クリックで表示)

 投資信託協会がまとめた「投資信託に関するアンケート調査」によると、投資信託を保有している人の割合は27.9%で、昨年調査より4.5ポイント上昇した。全ての年代で増加しているものの、特に30代は9.5ポイント増の33.2%、40代は5.9ポイント増の29.5%など、若年層の伸びが目立った。調査は昨年11月、全国の20~79歳の男女2万人にインターネットで実施した。

◆「つみたてNISA」が2位に浮上


 投資信託の保有状況(2) 投資信託の保有状況(2)(クリックで表示)

 投信を持っている人に保有口座を尋ねたところ、「つみたてNISA(少額投資非課税制度)」が、前回調査より10.8ポイント増加して35.2%となり、2位に浮上した。年代別にみると、20代では61.3%、30代では54.5%、40代では44.8%がそれぞれ「つみたてNISA」を保有しており、この制度を通じて若年層が資産形成を始めていることが明確に示された。

 保有口座の3位は、NISAが35.1%(前回調査比5.2ポイント減)。4位は新たに回答項目に加えた「ポイント投資・運用の口座」が17.5%だった。次いで、個人型確定拠出年金(iDeCo)が前回調査より3.1ポイント増加して16.6%、企業型確定拠出年金(DC)が同0.2ポイント増加して9.8%だった。


◆外国株式が初めてトップ

投資信託の保有状況(3)投資信託の保有状況(3)(クリックで表示)

 保有している投資信託の本数は「3~5本」が33.2%(前回調査は31.5%)、「6~10本」が11.1(同9.6%)など増加傾向だった。

 保有内容をみると「外国株式投資信託」が前回調査より10.3ポイント増加して53.9%となり、初めてトップに立った。年代別にみると、20~40歳の若い世代を中心に外国株式投資信託の投資を増やしていることが分かった。

 「国内株式投資信託」は前回調査より4.2ポイント減少して50.2ポイントとなり、2位に後退した。次いで「分散型投資信託」(22.8%)、「国内債券投資信託」(15.1%)、「外国債券投資信託」(14.9%)だった。不動産投資信託(リート)は、「国内型」が9.8%、「海外型」が7.8%で、いずれも減少傾向だった。


◆「ポイント」が投資のきっかけに

投資信託購入検討のきっかけ投資信託購入検討のきっかけ(クリックで表示)

 投資信託を保有していない人に「購入検討のきっかけになること」を複数回答で尋ねたところ、「保有しているポイントで投資・運用ができるなら」が27.1%でトップだった。次いで「金融や投資を勉強して理解できたら」が20.9%、「手取り収入が増えたら」が17.5%だった。


◆早期に資産形成を始める姿が顕著に-松谷会長

 松谷博司会長は、調査結果について「若い人たちが、20代、30代から積み立て投資を始めていることが顕著に表れており、大変にすばらしいことだと思う」と評価。「できるだけ早く資産形成をスタートし、不安のない、ウェルビーイングな(幸福度の高い)シニアライフを迎えてほしい」と述べた。

 一方、米国の利上げやウクライナ情勢などで、市場の価格変動が大きくなっていることついては、「目先の市場動向に慌てることなく、10年先、20年先を目指して積み立て投資を実行することで、無理をせずに、リスクをコントロールしながら資産形成をすることができるだろう」とアドバイスした。


◆投資には未来を創る力がある

 さらに、「外国株式に投資する投資信託」を保有する人が増えていることについては、「日本に拠点を置く企業に勤め、日本円で給料を受け取り、日本に不動産などの資産を保有している人が、金融資産の一部を海外に投資することは、分散投資の観点から極めて合理的な行動だ」と分析した。

 一方、日本株式については、「投資には、より良い未来社会を創る力がある。自らが暮らす社会に貢献するという観点から、世界で戦える日本企業に投資をすることも、資産形成の手段の一つとして有効だと思う」と述べた。

投資信託協会 松谷博司会長


【投資信託協会】「投資信託に関するアンケート調査結果-2021年」の公表について
https://www.toushin.or.jp/topics/2022/22574

 

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