本数は5923本に微増=「投資信託の主要統計」で振り返る-21年の投信市場
2022年01月18日 09時01分
投資信託協会がまとめた「投資信託の主要統計」で、2021年の投信市場を振り返った。12月末の公募投信本数は5923本となり、前年末より10本増加した。ファンドラップ向けファンドやESG(環境・社会・ガバナンス)を重視したファンドの設定などで、新規設定ファンドは397本となり、前年より86本増加した。一方、償還されたファンドは387本と前年なり45本減少した。
◆インデックス型、2割を超える
公募投信(除くETF)の純資産総額(88兆円)について、運用手法別に分類したところ、アクティブ型が69兆円、インデックス型が19兆円だった。全体に占めるインデックス型の割合は21.4%と2割を超えた。
◆海外株式型、内外株式型に資金流入続く
商品分類別に12月末の純資産総額を比較すると、「海外株式型」は前年比42.4%増の20.5兆円、「内外株式型」は同62.4%増の19兆円になった。年間の純流入額はそれぞれ4.7兆円、4.2兆円と過去最大だった。一方、国内株式の純資産総額は同8.0%増の9.5兆円にとどまった。
◆毎月決算型ファンド、5年連続で純流出
毎月決算型ファンドの12月末の純資産総額は、前年比7.8%増の21兆3800億円だった。年間の資金増減額は187億円のマイナスとなり、5年連続で純流出だった。
◆銀行シェアが4割を下回る
販売業態別に12月末の公募株式投信(ETFを除く)の純資産残高を見ると、証券会社が51.6兆円、銀行が34.7兆円、直販が1.1兆円だった。銀行のシェアは39.7%となり4割を下回った。
◆ETFが拡大、日銀買い入れは急減
上場投資信託(ETF)の12月末の純資産総額は前年比13.9%増の62兆4341億円に拡大した。ただ、日本銀行の買い入れ額は8734億円(前年は7兆1366億円)に減少した。
◆手数料は低下傾向
公募株式投信(追加型)の信託報酬は、平均で1.02%(前年は1.04%)に低下した。販売手数料の平均も2.06%(同2.11%)に低下した。
◆DC向けファンド、9.7兆円と過去最大
確定拠出年金(DC)向けファンドの純資産総額は、12月末で9.7兆円となり過去最大を更新した。商品内訳をみると、バランス型が35%、海外株式型が25%、国内株式型19%だった。
◆ラップ向けファンド、9.9兆円と過去最大
ファンドラップ向けファンドの純資産総額は、12月末で9.9兆円となり過去最大を更新した。
◆投信比率、4.49%に上昇=第3四半期
個人金融資産に占める投資信託の割合は、21年第3四半期時点で4.49%となり、第2四半期の4.46%を上回った。