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「森林破壊」「公正な移行」「ダブル・マテリアリティ」=今年注目のESGテーマ-フィデリティ

2022年01月14日 09時00分

AFP時事AFP時事

 フィデリティ投信は、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関する年次見通し「ESG Outlook 2022」を公表した。その中で、今年クローズアップされるテーマとして、「森林破壊」「低炭素社会への公正な移行」「ダブル・マテリアリティ」の三つを挙げた。


■森林破壊

 森林は「気候変動を抑え、生物多様性を守るために不可欠」であり、「大気中の二酸化炭素を取り除く、最もシンプルで効果的な方法の一つ」だ。また、多様な陸生生物のすみかであり、人々のフード・セキュリティ(食料安全保障)や雇用、生活を支えている。 

 昨年(2021年)10月に英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では、世界のリーダーたちが「30年までに森林破壊をなくすことに責任を持って取り組む」とした。

 フィデリティは、「農産物による森林破壊リスクをポートフォリオから排除する」ほか、「自然資本の保護につながるプロダクトへの投資」を行う考えだ。


■公正な移行

 「ネットゼロを目指すことが、新興国の経済発展の妨げになったり、労働者をグリーンテクノロジーによって追いやったりしてはいけない」-。クリーン・エネルギーへの移行に当たっては、化石燃料への依存度が高い多くの国で、ベースとなる発電設備の代替手段を増やしたり、移行によって影響を受ける労働者や地域の社会的な課題に対応したりすることで「誰も置き去りにしない」ことが大切だ。

 同社は、低炭素社会の実現に向けて、(二酸化炭素排出量の多い企業をポートフォリオから外す)対象除外ではなく、エンゲージメント(建設的な対話)を通して企業側に能動的な行動を促すアプローチを優先して実施する。

 例えば、石炭関連企業については、移行に関するエンゲージメントを実施して対応を促した上で、OECD(経済協力開発機構)加盟国の市場では30年までに、グローバルでは40年までに、それぞれポートフォリオからのフェーズアウトを目指す方針だ。


■ダブル・マテリアリティ

 ダブル・マテリアリティとは、「社会や環境が企業に及ぼす財務的リスクを管理する」だけでなく、「その企業のビジネスが人々や地球に与える影響についても責任を負う」という意味だ。

 同社は、独自に開発するサステナビリティ・レーティング(持続可能性に関する企業評価)の次のバージョンに、こうしたダブル・マテリアリティの原則を取り入れ、投資の意思決定プロセスに組み込んでいく考えだ。

 

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