ウォール・ストリート・ジャーナル
コモディティコンテンツ

マーケットニュース

〔マーケット見通し〕日本株、上昇基調が続く=成長戦略の維持で-フィデリティ鹿島氏

2021年12月02日 09時30分

、鹿島美由紀 執行役員副社長 兼運用本部長

 フィデリティ投信は、「2022年市場展望」をテーマにメディア・ブリーフィングを開催した。この中で、鹿島美由紀 執行役員副社長 兼運用本部長は、日本株について「2012年からの成長戦略が維持されており、上昇基調が続く可能性が高い」と指摘した。

-日本株の現状は。
 
 鹿島氏 日経平均株価のパフォーマンスを、第2次安倍政権が誕生する前の2012年10月末を100として指数化したグラフを見ると、きれいに下値を切り上げながら、約3倍に拡大している。
 
 ただ、これほどパフォーマンスが良いのに「日本株に強気になれない」という投資家は、国内にも海外にも多い。

-日本株が不人気なのはなぜか。

 鹿島氏 日本株は「失われた20年」と言われるほど、あまりにも長い間、低迷した。「その時代に戻ってしまうのではないか」という恐怖心が、日本株を不人気にしているのかもしれない。
 
 日本株が低迷した理由だが、デフレによって名目GDP(国内総生産)が著しく低下し、1997~2021年の間にオーストリアのGDPに相当する約50兆円が失われたためだ。日本の投資家でも、あまり気づいていない事実だ。
 
 しかし、アベノミクスが実施された2012年以降は、名目GDPが一直線に回復したことで(コロナの影響を除く)、株価は上昇に転じている。

-今後の見通しは。
 
 鹿島氏、政府は600兆円のGDPを目指しており、新型コロナウイルスによる経済停滞を脱した後は、日本経済は拡大基調に戻るだろう。投資家の皆さんに日本株が低迷した理由をきちんと理解していただければ、今後はデフレに戻ることも、日本の経済規模が縮小することも可能性として低いので、来年も日本株式の上昇トレンドは続くのではないかと考えている。
 
 さらに、政府によるコーポレートガバナンス改革やESG(環境・社会・ガバナンス)分野への重点的な取り組みは、企業の成長を促進し、賃金の上昇をサポートしていくだろう。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]