マーケットニュース

「グローバル3倍3分法」が設定から3年=高い運用効率を目指す-日興AM

2021年10月05日 09時30分

有賀潤一郎部長

 日興アセットマネジメントが運用するバランス型投信「グローバル3倍3分法ファンド」は、設定から3年が経過した。運用残高は、8月末時点で「1年決算型」と「隔月分配型」を合わせて、約3500億円に及ぶ。現物と先物を組み合わせて、レバレッジの効いたバランス型のポートフォリオを組むことで、高い運用効率とリターンの実現を目指してしている。商品開発部の有賀潤一郎部長に話を聞いた。



◆基準価格が構成インデックスを上回る

-3年を振り返って。

基準価額(1年決算型)と各資産の推移基準価額(1年決算型)と各資産の推移(クリックで表示)

 このファンドは、2018年10月4日に「分散型のレバレッジ・バランス・ファンド」という新しいタイプの投信として設定された。8月末時点の純資産総額は「1年決算型」で2224億円に、「隔月分配型」で1254億円。人気ファンドの一つに育った。

 設定来の基準価格の推移を見ると、ポートフォリオを構成する日本株式、先進国株式、新興国株式、日本REIT(不動産投信)、先進国REIT、日本国債、先進国国債のいずれのインデックスよりも値上がりしている。


◆リスクを抑え、長期的に高いリターン目指す

-リスク・リターンの状況は。

当ファンド(1年決算型)と各資産のリスクとリターン当ファンド(1年決算型)と各資産のリスクとリターン(クリックで表示)

 3年間のデータから抽出したリスクを横軸、リターンを縦軸にしてグラフを作成すると、株式やREITに比べて、リスクは「小さい、または同程度」に抑制しつつ、リターンは「高い」傾向を示していることが分かる。

 分散投資して3倍のレバレッジを掛けることで、「リスクを過大に取ることなく、長期的なリターンとして高い水準にたどり着く」という当初の目標を、コロナショックの期間を除いて、おおむね達成できた。


◆効率的なポートフォリオにレバレッジ

-このファンドの投資理論は。

有効フロンティアのイメージ図有効フロンティアのイメージ図(クリックで表示)

 現代ポートフォリオ理論は、例えば、株式を単独で保有するより、株価下落時に値上がりする傾向がある債券と組み合わせて保有することで、リスクを抑えて効率的にリターンを獲得できると説明している。

 一般的なバランス・ファンドは、同じリスクで最大のリターンが得られる資産の組み合わせである「有効フロンティア」の曲線の上に、資産配分を決めている。このファンドは、株式と債券とREITに分散投資した効率的なポートフォリオの取引量を、先物取引を利用して増やすことで、リターンを有効フロンティアの曲線よりも高い位置にすることを目指した設計になっている。


◆内外株式・REIT、国債に分散

-資産配分は。

内外株式・REIT、国債に分散(クリックで表示)

 「グローバル3倍3分法ファンド」のポートフォリオを300%とすると、国内外のREITに40%、株式に60%、国債に200%投資している。この配分は、3資産のリスクの大きさが同じ程度になるように決めたもので、機関投資家が多く利用する「リスク・パリティ戦略」と呼ばれる分散手法だ。株式やREITの値上がり益に期待しつつ、もし株式やREITが値下がりした時には、債券が値上がりすることでクッションとなって、ポートフォリオ全体の値下がり幅を抑制することを目指す。

 具体的な投資内容だが、REITと海外株式は現物に投資している。残った現金を、証拠金として、日本株式や日米英独豪の国債先物に投資することで、300%のポジションを組んでいる。


◆時間分散、長期投資が大切

-コロナショック時の運用状況は。

 新型コロナウィルスの感染拡大で、各国の株価が急落した2020年3月19日に、1年決算型では、基準価格が8559円(1万口当たり)と、設定来の最安値を付けた。このとき、債券は値上がりしたものの、それ以上に株式やREITの値下がり幅が大きく、基準価格が急落した。

 ただ、相場の回復局面では、上下動を繰り返しながらも順調に基準価格が上昇し、長期的に見ると、ポートフォリオを構成する資産を上回って推移している。

-ターゲットとする投資家層は。

 このファンドは、プロの機関投資家にも、個人投資家にも、購入してもらっており、ターゲットとする投資家層は広い。

 例えばリスク許容度の低いお客さまについては、投資予定額の半分とか、3分の1をこのファンドに投資して、手元に現金の一部を残してもらうといった投資方法も考えられる。あるいは、手持ち資金の少ない若年層の方には、少ない投資金額でコツコツと、より多くのポジションを積み立て投資してもらうことができる。

 ただ、3倍化という仕組みを採用しているので、短期的に大きく下落する可能性もある。投資に当たっては、買い付けタイミングを分散したり、長期にわたって投資したりすることが大切だ。

 

メールマガジン
最新のリアルタイムマーケットニュースとデータをお手元に