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米国株に「逆パウエル・プット」…有用な相場格言あり

2022年09月09日 11時30分

AFP=時事AFP=時事

 米国市場では連邦準備制度理事会(FRB)による連続利上げ観測に抗する形で株価が反騰し、9月8日にはS&P500指数が4000台を回復した。しかし、株価上昇は投資や消費を刺激し、インフレを助長する効果がある。このため、FRBは一定以上の株価上昇をけん制する「逆パウエル・プット」で株価にブレーキを掛けているようだ。

 コロナ禍前の米国市場では、株価下落が著しい局面でFRB議長らが金融政策について緩和的な発言を繰り出し、株価の反転に成功してきた。市場関係者は株価下落時の安心を買うとされる「プット」になぞらえて、「パウエル・プット」と呼んだ。

 8月26日のジャクソンホール会議でパウエル議長が金融引き締めに強い意欲を示したほか、地区連銀総裁からも、景気を犠牲にしてでもインフレ退治を急ぐ「タカ派」的な発言が相次いだ。

 野村証券の宍戸知暁氏は9月7日付のリポート「『逆パウエル・プット』と米株下値目途」でFRBが「株価の過度な、あるいは時宜を得ない上昇を防ぐという意図を持っているとみられる」と指摘。「1株当たり利益(EPS)予想には一段の下方修正余地ありと想定するのが妥当だろう」との見方を示すとともに、当面のS&P500の下値目途として3480~3650を挙げている。

 FRBが株価の大幅高を歓迎していないことは米国でも広く認識されている。米国株の日本語メディア「バロンズ・ダイジェスト」は6日朝に「FRBはタカ派、投資を導く二つの格言」と題する記事を掲載。「FRBと戦うな」「押し目で買って戻りで売る」との格言を紹介している。前者は、FRBが株高を促す局面で売り向かうリスクは大きいという警告だ。

 安値で買えた銘柄の売り時を逃し、含み益が幻に終わるのは多くの投資家が経験している。投資家が株価がさらに上昇する期待にとらわれているのが原因だ。

 しかし、現在はFRBが「逆パウエル・プット」で株価抑制に知恵を絞っているようだ。「FRBと戦うな」の格言に素直に従えば、株価のさらなる上昇可能性に対する未練を捨てて、株価が戻る場面で利益を確定すればいいことになる。日本の相場格言「利食い千人力」とも通じる。投資家がするべきことは、短期的な右肩上がりチャートを見て強気に傾くのではなく、狙った銘柄の押し目を待つことかも知れない。

 

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