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〔時事:総裁会見解説・まとめ〕(17日)

2021年12月17日 16時42分

 ◆「ただちに日銀の金融政策に影響せず」

衆院予算委員会で答弁する日本銀行の黒田東彦総裁=15日、国会内衆院予算委員会で答弁する日本銀行の黒田東彦総裁=15日、国会内

 黒田日銀総裁は17日の記者会見で、海外中銀が相次ぎ引き締めに動いていることについて、物価目標の達成が見通せないことを前提に「ただちに日銀の金融政策に影響を及ぼすことはない」と述べた。もとより、現在の物価は低迷するものの、来年になると通信料引き下げの影響が剥落して、目標に接近する可能性はある。2%の安定達成は難しいものの、超緩和策を放置すると、海外金利差から大幅に円安が進行し、交易条件の悪化が深刻化しかねない。せめて「弊害の大きいマイナス金利の解除は検討した方がいいのではないか」(大手邦銀)との声が聞かれる。(窪園博俊解説委員)(15時48分)

 ◆「円安はこれまでプラスに作用」

 黒田日銀総裁は17日の記者会見で、円安の進行が交易条件の悪化などマイナス面が大きいことについて、「確かに円安は輸入価格の押し上げになる一方で、(円安で)輸出企業の業績改善などこれまではプラスに作用している」と力説した。言うまでもなく円安の弊害を認めると物価目標の追求は困難となる。2%達成を至上命題とする以上、悪い円安でも許容せざるを得ない。ただ、現実問題としては、悪い円安の弊害を企業・家計が体感するほど日銀に対する政治的な逆風が強まる公算が大きい。物価か通貨か、いずれかの選択を迫られる公算が大きい。(窪園博俊解説委員)(15時55分)

 ◆「物価のアップサイドはあるかもしれないが…。正常化に向かわない」

 黒田日銀総裁は17日の記者会見で、物価情勢について、これまでダウンサイドが目立ったが、今後は「むしろ物価のアップサイドはあるかもしれない」と述べた。ただ、欧米中銀のように「金融政策が正常化に向かうことにならない」との認識を示した。恐らく総裁の物価見通しと政策論は正しいだろう。ただ、もともと金融緩和が物価に効く、というリフレ思想に基づき、世間のインフレ期待を高めるために精いっぱいの金融緩和をやってきたはず。その当事者が物価が上がりそうな局面で、目標達成の困難性を自ら認めるようでは、「期待に働きかける」という当初の緩和思想を忘却したかのように思われる。(窪園博俊解説委員)(16時14分)(了)

 

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