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〔ブル&ベア〕「首相辞任ショック」消化し反発=政策継続なら不安後退

<2020年9月4日>

2020/08/31 09:12

辞意を表明し、記者会見する安倍晋三首相(左端)。中央奥は菅義偉官房長官=28日午後、首相官邸
辞意を表明し、記者会見する安倍晋三首相(左端)。中央奥は菅義偉官房長官=28日午後、首相官邸

 週明け31日午前の東京株式市場で、日経平均株価は反発して始まり、上げ幅を一時前営業日比300円に広げた。体調不良による安倍晋三首相の辞任表明で政治空白が懸念された前週末の下落から戻り歩調にあり、「辞任ショック」はいったん消化されつつある状況だ。

 安倍首相の後継を選ぶ自民党総裁選に向け、菅義偉官房長官が出馬する意向を固めたと伝わっており、株式市場では「安倍政権を支え続けた官房長官だけに、政策の継続性が期待できる」(大手証券)との見方が台頭。また、日銀も大規模な金融緩和政策を当面続ける見通し。「株式市場に友好的」(中堅証券)とされた安倍政権の経済政策の転換は回避されそうな状況で、下値不安感は大きく和らいでいる。

 ただ、総裁選の行方は不透明で、次期首相の人選と政策について、安倍路線が踏襲されるか担保されているわけではない。為替相場が1ドル=105円半ばの円高となっており、株価にとっての重しになりやすい。「政治の安定性を投資判断として意識している」(銀行系証券)とされる海外投資家が、夏季休暇から本格的に市場復帰するレーバーデー(9月7日)以降の相場を警戒する必要もありそうだ。(9時02分)(了)

 

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