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日銀短観の反響記事

<2020年7月3日>

日本銀行本店=東京・日本橋本石町
日本銀行本店=東京・日本橋本石町

2020/07/01 10:24

短観反響緩やかにしか改善しない=三井住友DSAM・宅森氏

 宅森昭吉・三井住友DSアセットマネジメント理事・チーフエコノミスト=足元の景況感は製造業、非製造業ともに大幅悪化と、新型コロナウイルス感染拡大の影響を明確に示した結果となった。製造業の雇用人員判断が今回、「不足」から「過剰」に転じたことから、新型コロナで局面が変わったことが見て取れる。経済活動は今後、感染防止とのバランスを取りながらになるため、以前の状態に戻ることはないだろう。4、5月が「谷」だったとみているが、全体として需要がないため、明確に良くなることはないだろう。景気は緩やかにしか改善しないとみている。(了)



2020/07/01 11:06

短観反響迅速な資金繰り支援が重要=みずほ総研・野口氏

 野口雄裕みずほ総合研究所上席主任エコノミスト=全体として悪い結果とはいえ、企業の資金繰りはリーマン・ショック後ほどひどい状況にはない。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府・日銀の対策が一定の効果を上げていると考えられる。もっとも、特に中小企業は厳しい環境に直面しており、引き続き資金繰り支援策の迅速・円滑な実施が重要だ。

 また、製造業・非製造業とも雇用判断が悪化しており、企業の新卒採用計画を見ても先行きが心配だ。雇用情勢が今後、消費の回復の重しになりかねない点に注意しなければならない。(了)



2020/07/01 11:56

短観反響景気のV字回復難しい=ニッセイ基礎研・上野氏

 上野剛志ニッセイ基礎研究所上席エコノミスト=企業が置かれている状況は極めて厳しいことが確認された。特に大企業非製造業は急激なマインドの悪化が見られる。景気は4~5月を底に持ち直すという見方が多い。ただ、新型コロナウイルス感染防止のための(店舗や工場の)稼働率低下などが重荷となり、V字回復は難しい。

 新型コロナ感染が再拡大し、大規模な営業活動の自粛要請が改めて行われる事態は織り込まれておらず、不確実性が残る。設備投資は例年に比べ低水準で、凍結や先送りを判断した企業が少なくないようだ。(了)



2020/07/01 13:06

短観反響中堅・中小企業の支援継続促す=三菱UFJMS証券・宮嵜氏

 宮嵜浩・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所シニアエコノミスト=現況と先行きの業況判断DIを比較すると、大企業でマイナス幅が縮小する一方、中小企業はさらに悪化している。緊急事態宣言解除を受けて経済活動は徐々に再開し始めているものの、規模の小さい企業のマインドは改善に時間がかかることを示しており、今後も中堅・中小企業の倒産抑止や雇用維持のための政策が求められよう。

 また短観によると、5年後の全規模全産業の物価見通しが前年比0.9%上昇と、前回3月調査(1.0%上昇)より切り下がっている。新型コロナ感染拡大の影響で需要が抑制されたため需給ギャップが足元でマイナスに沈み、物価を下押ししていることなどが背景にあり、日銀の金融政策はいずれデフレ的状況の克服に再び軸足が移っていくだろう。需要喚起のための追加的な金融緩和や、現行の枠組みでは物価を押し下げる側面が大きいイールドカーブ・コントロールの調整が促される可能性がある。(了)

 

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