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国内M&A増加の兆し コロナで事業見直し加速

<2020年8月25日>

2020/08/21 14:11

〔証券情報〕国内M&A、増加に転じる兆し=新型コロナで事業見直し加速

ヤフーによるZOZO(ゾゾ)買収についての記者会見にゲストとして登場したソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)。右はZOZO創業者の前沢友作氏=2019年9月12日、東京都目黒区
ヤフーによるZOZO(ゾゾ)買収についての記者会見にゲストとして登場したソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)。右はZOZO創業者の前沢友作氏=2019年9月12日、東京都目黒区

 新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた日本企業同士の合併・買収(M&A)が増加に転じる兆しを見せ始めた。緊急事態宣言発令で交渉が停滞していたが、中小企業の後継者難に伴う事業承継に加え、将来を見据えた事業見直しが幅広い業種で加速していることも背景にあるようだ。  

▽緊急事態解除で再開

 M&A助言会社レコフ(東京)の調べでは、国内企業同士のM&A件数は今年1~7月、前年同期比6.6%減の1653件となった。4月と5月にいずれも前年同月比で2割の大幅減。緊急事態宣言が全国で解除されると、6月には7.0%増とプラスに転じた。7月は1.6%減と再び減少したが、小幅な減少にとどまった。

 5月下旬に緊急事態宣言が解除され、事業承継などの交渉がやりやすくなり、減少傾向に歯止めがかかりつつある。新型コロナによる事業環境の激変を受け、上場企業が子会社や一部事業を切り出して売却する動きも目立っている。

 中小企業を中心にM&A仲介を手掛ける日本M&Aセンターの幹部は「企業が手元資金の確保を重視し、主力部門以外の事業を譲渡する動きが増えている」と説明。土木関係や人材派遣などの業種で事業譲渡が活発化していると話す。買い手サイドは、従来手掛けてきた事業の周辺に位置する分野を取り込み、規模拡大で収益力向上につなげようとしている。  

▽「経済回復の原動力」期待も

 日本M&Aセンターの株価は8月12日に5550円と年初来高値を更新し、その後も高値圏で推移している。「(同社にとっての)事業環境の改善」(マネックス証券の大槻奈那チーフ・アナリスト)が、市場に好感されているもようだ。

 大槻氏は、M&Aの環境改善について「低金利で買い手企業が資金を調達しやすく、株価も一時よりこなれてきたことが大きい」と分析する。昭和恐慌のような過去の大型不況でも新興財閥がM&Aを積極展開したことが経済復活に寄与したとし「今年4~6月期の実質GDP(国内総生産)は大幅マイナスだったが、今後の経済回復では企業再編が一翼を担うはず」と期待する。  

▽イメージ改善も

 M&Aに対する一般的イメージも変わりつつある。「ハゲタカファンド」が取りざたされた十数年前には「買い手企業は悪」との印象が圧倒的だったが、現在、民放で放映中のドラマ「半沢直樹」では、銀行から証券会社に出向した主人公がIT企業のM&A合戦に加わるシーンが登場。買い手企業だけでなく、売り手企業にとってのメリットも比較的丁寧に描かれた。

 このドラマで証券業務の監修を担うのは、三菱UFJフィナンシャル・グループのインターネット証券、auカブコム証券だ。ドラマ制作陣への助言に当たってきた同社の塚田正泰専務は「主人公のように『顧客のため』を考え、行動する証券マンがいることが伝わってくれれば」と話している。(了)

 

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