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トヨタ決算 黒字確保も先行きは不透明
<2020年8月11日>
2020/08/06 19:24
トヨタ瀬戸際、コロナが影=黒字確保も先行き不透明
トヨタ自動車が瀬戸際に立たされている。新型コロナウイルスの感染拡大が経営を直撃。4~6月期決算では、本業のもうけを示す営業損益がコスト削減などを徹底することで辛うじて黒字を確保した。新型コロナの収束は見通せず、国内外の自動車市場が明確な回復基調に転じるかどうかは不透明で、巨艦トヨタの視界は晴れない。
トヨタの4~6月期の販売台数は前年同期に比べ3割超減の約185万台に落ち込んだ。それでも黒字を維持できた要因は「原価改善の徹底」(広報)だ。部品や資材などの購入価格を洗い直し、費用を極力引き下げることで、2008年のリーマン・ショック以降「台数減に耐えられる収益構造をつくってきた」(幹部)と自負する。同社は徐々に販売を回復させ、来年1~3月には前年同期並みにする青写真を描く。中国市場でスポーツ用多目的車(SUV)などが好調なことも追い風にしたい考えだ。
もっとも、新型コロナ感染拡大「第2波」の影響は想定できておらず、再び打撃となる懸念は拭えない。新型コロナの影響で失業率上昇や給与減が世界的に顕著だ。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの松島憲之チーフアドバイザーは「所得水準の低下は自動車販売を直撃する」と指摘する。
米中対立の激化が中国での販売に水を差すリスクもあり、トヨタが描くシナリオ通りに収益が上向いていくか、不安要素は少なくない。21年3月期連結純利益は前期比6割
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