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トランプ米大統領、「コロナ株安」警戒=再選戦略に影響も

<2020年3月3日>

2020/03/02 14:51
トランプ米大統領、「コロナ株安」警戒=再選戦略に影響も

【ワシントン時事】新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を懸念した米株価の下落に、トランプ大統領が警戒感を強めている。11月の大統領選を控え、最高値を更新し続けてきた株価は実績の象徴になるはずだった。野党民主党は政権の対策不足を批判して争点化を狙う。大統領が危機封じ込めに失敗すれば再選シナリオが狂いかねない。

 「FRB(米連邦準備制度理事会)は重大な過ちを犯した」。大統領は2月26日の会見で株安の責任をFRBに押し付けた。ダウ工業株30種平均は28日までの1週間で過去最大の下落幅を記録し、FRBは緊急声明を出して沈静化に努めた。それでも大統領は「重要な役割」を果たすよう求め、執拗(しつよう)に利下げを迫っている。

 大統領が新型肺炎の影響を過小評価しているとの懸念も市場の動揺を招いた。1月に人から人への感染が報告された後も「管理下にある!」と繰り返し、先週ようやく対策本部を発足させた。民主党から初動の遅れを非難されると、大統領は「不安をあおる民主党の発言も株安要因」となじった。緊急予算をめぐる与野党の駆け引きは長引きかねず、市場は「新型肺炎が政争の具になりかねないとの不安」(米シンクタンク)を意識し始めた。

 市場は「大統領選関連のリスク」(米ゴールドマン・サックス)も織り込む。3日には民主党候補者選びの予備選が集中するスーパーチューズデーを控える。全国支持率では、大増税と規制強化を提唱する急進左派のサンダース上院議員が独走する。大統領は、反ビジネス色の強い同議員が優位なら「市場は下げ続ける」と強調。株安の批判をかわそうと予防線を張っている。

 米経済の失速はトランプ政権への評価に直結する。米有力紙は、新型肺炎による影響が今年1~3月期の国内総生産(GDP)を0.5%弱押し下げる要因となると伝えた。

 

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