マーケットニュース

中央銀行の財政政策への距離感

<2022年7月8日>

こんにちは、JFSメールマガジン担当の森本こずえです。
友人とパラセーリングに初挑戦しました。船酔いもなく、天気にも恵まれて遠くの虹が見えました。すっかり日焼けしましたが、夏らしい体験ができ大満足でした。4歳から参加できるそうなので、夏のアクティビティにおすすめです。
それでは本日の記事をどうぞ。

=============================================
2022/07/07 12:08

〔FEDインサイト〕財政政策への距離感とは=FRBとECB、垣間見える「違い」

EPA時事EPA時事

 【ワシントン時事=高岡秀一郎】米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、財政政策に関する言及に至って慎重だ。議会証言で、米政府の大規模な財政出動と足元のインフレ高進の関係を問われても、コメントを拒むのがもっぱらとなる。もっとも、財政政策は中央銀行が担当する金融政策とともに、国家の経済政策の「両輪」を成す。財政赤字はインフレの「種」となりかねないだけに、中銀にとって本来は無関心ではいられないはずだ。

 ◇干渉すべきでない

 6月29日、ポルトガル中部シントラで行われた欧州中央銀行(ECB)主催のパネル討論では、壇上に並んだパウエル氏と、ラガルドECB総裁の財政政策に関するスタンスの微妙な「違い」をまざまざと見せつけられた。

 モデレーターから各国政府が今後取るべき経済政策について問われ、パウエル氏は「財政当局にアドバイスするのは担当外」としながらも、「選挙で選ばれた代表にそう問われれば、人への投資や、経済の生産性を高めることへの投資に重点を置くように言う」と応じた。

 これでもいつもよりは答えたほうだ。ユーロ圏におけるECB主催のイベントで、「よそ行き」のモードだったのかもしれない。ただ結局は、「中銀は他に干渉せず、自らの責務(物価安定維持)を行い、その時その時の大きな問題は、選挙で選ばれた代表に任せるべきだ」と締めた。

 ただその直後に発言機会を得たラガルド氏は「確かに干渉してはならない」と、パウエル氏の言葉を受けつつも、「新型コロナウイルス感染拡大期には財政政策と金融政策は協調し、十分な効果は得られたが、もはや同じように手を取り合うことはない」と明言した。

 その上で財政政策に対し、「人や環境への投資を、対象を絞って重点的に行うとともに、明らかにユーロ圏ではすべての国が(財政的に)持続可能となるよう、中期的には財政余地をつくりださなければならない」と、いろいろ注文を付けた。

 ◇制度で保証される独立性

 ECBは国家間の条約(欧州連合=EU=条約)で、政治的な独立性を保証されている。一方でFRBは1951年、米財務省との「協定」により、金融政策の独立性を確保できたに過ぎない。

 その後、歴代の米大統領からの政治圧力に時には屈しつつも、時にはね返していく過程で、営々と築いてきた「独立」だ。「選挙で選ばれた」政治家が関わる財政政策をめぐって、パウエル氏の慎重さと、ラガルド氏の率直さの違いには、そんな背景が見え隠れする。

 制度で独立性が担保されている度合いに応じ、中銀は遠慮がなくなるかもしれない。南アフリカ準備銀行(SARB、中銀)のハニャホ総裁は6月26日、国際決済銀行(BIS)年次総会で行われたパネル討論で、金融政策の正常化に際して浮上している問題として「財政当局が低金利の『中毒』になっていることだ」と指摘。「財政の問題はこの連中が利上げしているせいだと、一部の政治家が言ってくるまで時間がさほどかからない」と嘆いてみせた。

 なお、南ア憲法ではSARBの「第一の目的」として「通貨価値の保護」と明示。この目的遂行にあたり、SARBは「独立的に、そして恐れや情実、偏見なく機能しなければならない」と定めている。かくしてハニャホ氏に、政治への遠慮はあまり見られない。

 ◇米財政「持続不可能な道」

 ただ、財政政策をめぐるパウエル氏のスタンスには、変化も見受けられる。6月23日の米下院金融サービス委員会における証言で、「連邦財政は持続不可能な道にあり、これに対処しなければならない。早ければ早いほうが良い」との見解を明らかにした。

 議会予算局(CBO)が5月公表した見通しによると、米国の累積債務は社会の高齢化による医療コスト増大のあおりなどで、2032会計年度には国内総生産(GDP)比で109.6%と、過去最悪に達すると見込まれる。パウエル氏は「債務が経済成長よりも速いペースで増える」と危機感をあらわにした。

 FRBと政権の関係は、時の大統領次第でもある。11月の中間選挙を控え、支持率低迷に悩むバイデン大統領は歴史的な高インフレの抑制を「経済の最優先課題」に掲げる。その文脈で、FRBの積極的な利上げを事実上容認するとともに、インフレ圧力を少しでも緩和しようと財政赤字削減の方針を打ち出している。

 パウエル氏にとって、財政政策に言及する余地が若干生まれつつあるようだ。(了)
=============================================

本日もメールマガジンをご覧いただき、ありがとうございました。水分塩分補給をして、楽しい週末をお過ごしください。 森本

 

メールマガジン
最新のリアルタイムマーケットニュースとデータをお手元に
よく読まれている記事
メルマガ一覧

過去分を表示する

メルマガ採録記事一覧

メルマガ採録記事一覧へ

関連製品 & お知らせ