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ハト派の仮面捨てたFRB議長 2期目は前途多難の予感

<2021年12月3日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の松原蒼空(あおぞら)です。
先日のブラックフライデー期間は様々なお店でセールが実施されていました。同じ時期に日経平均株価が下がっていたことを受け、SNS上で「ブラックフライデーで日本株のセール」といった内容が散見され、うまいこと言うなあと思いました。ウィットに富んだ発言ができる人やユーモアのある人に憧れます。
それでは本日の記事をどうぞ。

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2021/12/02 11:29

インフレ「一時的」、お役御免に=ハト派の仮面捨てたFRB議長

EPA時事EPA時事

 【ワシントン時事=高岡秀一郎】「その言葉をリタイア(撤回)する適切な時期だ」(パウエル米連邦準備制度理事会=FRB=議長、11月30日の上院銀行委員会証言で)―。

 FRBが4月の連邦公開市場委員会(FOMC)から堅持し、内からも外からも異論が噴出していた、インフレ高進は「一時的要因」によるものとの文言が12月14、15日の次回FOMCを待たずに、あっさりとお役御免になった。

 11月30日の議会証言では、さらにサプライズが続いた。パウエル議長はインフレ高進が続くリスクを明言。次回FOMCで量的金融緩和策の縮小ペース加速と、「緩和策終了をおそらく2~3カ月早める」ことを協議すると表明。いきなり成長重視の「ハト派」の仮面をかなぐり捨てた。

 11月のFOMCでは、来年中ごろに量的緩和を終了する方針が決まったばかり。量的緩和を終えれば、利上げが視野に入る。終了時期が来春に前倒しされる可能性が高まったことで、市場では2022年内に2~3回の利上げが織り込まれつつある。

 ◇米経済の強さを前面に

 「一時的」は、金融政策の「コード・ワード(暗号)」として実に強力だった。この文言をめぐり、FRBは約30年ぶりの物価高進行を、新型コロナウイルス危機からの経済再開に伴う需要急増に供給が追い付いていないためで、いずれ解消すると説明。雇用の回復を「忍耐強く」(パウエル氏)待つ姿勢を堅持していた。

 パウエル氏が「ほぼ間違いなく、FRBの現代史で最もハト派な議長」(米紙ウォール・ストリート・ジャーナル)とされるゆえんでもあった。

 しかし、バーナンキ元議長の回顧録などをひもとけば、2012年にFRB入りしたパウエル理事(当時)は、バーナンキ氏の下で導入され始めた量的緩和策に懐疑的な姿勢を示すなど、物価安定重視の「タカ派」と目されていた。いきなりの「先祖返り」は、もともと法律家で、純粋エコノミストではないパウエル氏の柔軟性を示すものだろう。

 11月30日と12月1日の2日間に及んだ上下院の委員会証言を通じ、パウエル議長が強く印象付けたのは米経済の力強さだ。

 上院銀行委では、「最近の指標を見ると、インフレ圧力は高止まり、労働市場関連は急速に改善し、消費も強く、今後大幅な成長のシグナルとなっている」と発言。1日の下院金融サービス委員会でも「米経済は現時点で非常に力強い」と断言した。

 経済が強く、物価が高騰しているのならば、金融引き締めが必然的な解として浮かび上がる。

 ◇オミクロン株に大型歳出法案

 しかし、パウエル氏の「タカ派」路線に水を差しかねないのがコロナの新変異株「オミクロン株」だ。1日、米国で1人目のオミクロン株感染者が出ただけで、株価は大きく崩れた。

 オミクロン株に関し、パウエル氏は証言の冒頭声明で「経済に下振れリスクをもたらす」と指摘した。上院銀行委では、その後の質疑で「12月のFOMCまでに新変異株への理解が深まる」としたほか、「経済への影響は、厳しい制限措置が導入された昨年3月時にはまったく匹敵しない」などと述べた。

 突然の「タカ派」路線には、突然出現したオミクロン株の動向が十分織り込まれていないのは明らかだ。オミクロン株が猛威を振るえば、再度の軌道修正を余儀なくされよう。

 さらに、経済が力強さを増しているこのタイミングで、バイデン政権は看板政策である子育て支援や気候変動対策などを盛り込んだ対策「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」の実現を目指している。子育て世代の負担減をもくろむ同対策が、インフレを一段と加速させないかどうか。

 野党共和党は「より良い再建」を、「インフレ基調にジェット燃料を注ぎ込むようなものだ」(マクヘンリー下院議員)と批判。1日の下院金融サービス委で共和党の議員らは再三、パウエル議長にバイデン政権の財政出動とインフレ加速の関連性を問いただし、そのたびに議長は「財政政策にコメントしたくない」などとかわしていたが、とうとう「財政政策と急速な経済の回復を背景に、需要は極めて強い」と認めた。

 強い需要を背景にインフレが一段と加速すれば、拙速な予防的利上げに追い込まれるリスクも高まる。上院の承認を得た上で、来年2月から始まるであろうパウエル氏の2期目は、タカ派的な威勢の良さと裏腹に、前途多難の予感が漂う。(了)
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本日もメールマガジンをお読みいただき、ありがとうございます。素敵な週末をお過ごしください。 松原

 

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