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米国敵対勢力の暗号資産活用に懸念

<2021年10月22日>

こんにちは。JFSメルマガチームの中島 知乃(なかしま ともの)です。
最近急に冷えはじめ、街行く人の装いがすっかり秋物・冬物に様変わりしました。この頃、朝外に出ると秋独特のにおいを強く感じます。秋のにおいをかぐと、今年も終わりが近づいていることを実感し、身が引き締まります。今年も残り2か月ですが、実のある時間の使い方をしたいと思います。
それでは、本日の記事をどうぞ。

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2021/10/21 11:47

ドルの影響力、減退?=今どきの「米国の敵」は暗号資産

EPA時事
EPA時事

 【ワシントン時事=高岡秀一郎】「経済・金融制裁の効果に関し、米国は今、新たな課題に直面している」。米財務省は18日公表した2021年制裁報告で、経済・金融制裁の在り方を見直す方針を示した。米国の制裁は、基軸通貨ドルと、ドルに基づく金融システムの影響力を「武器」とし、非常に強力とされてきた。しかし経済のデジタル化が加速する中、「米国の敵」が暗号資産(仮想通貨)を活用し、ドルの金融システムを使わずに制裁を逃れようとしている実態を、米当局も無視できなくなったようだ。

 財務省の制裁報告は「デジタル技術は敵対勢力に、ドルの国際的な役割減退を意図する新たな金融・決済システム構築を目指す力を与えている」と指摘し、懸念をあらわにした。

 ◇有事のドル需要

 実際、ドルの力は衰えているのだろうか。ドルの「番人」である米連邦準備制度理事会(FRB)は6日公表したリポートで、各国の準備通貨に占めるドルの割合が6割に達し、貿易決済ではユーロを擁する欧州を除けば7割を優に超え、国際融資でもドル建てが6割に上るなどと列挙した。

 中でも特筆すべきは、FRBが各中央銀行に対し、スワップ協定を通じて08~09年の金融危機時に5850億ドル、20年の新型コロナウイルス危機に際しては4500億ドルのドル資金をそれぞれ供給したことだ。ちなみに欧州中央銀行(ECB)のユーロ資金供給スワップはほとんど使われなかったという。有事におけるドル需要をまざまざと見せつけた。

 FRBはリポートで「ドルは過去20年、支配的でかなり安定的な役割を果たしてきた。予見できる将来においても世界の支配的な国際通貨であり続ける」と結論付けた。

 また、国際通貨基金(IMF)は19日公表したアジア太平洋地域経済見通しで、FRBが危機対応で導入した異例の金融緩和策の正常化を予想より速いペースで進めれば、「多くのアジア諸国で成長への下振れリスクが増す」と警告した。

 ドルの融資条件が少し厳しくなるだけで、アジア途上国は気をもまなくてはならない。伝統的な金融システムにおけるドルの力は、なお絶大だ。

 ◇悪用されるビットコイン

 問題は、今日の「米国の敵」が安易にドルを使わないことだろう。今年5月、米最大級の石油パイプラインがランサムウエア(身代金要求型ウイルス)の攻撃を受け、操業停止に追い込まれた。後に、パイプライン運営会社が身代金を暗号資産のビットコインで支払ったことが分かった。

 財務省の別の報告書によると、ランサムウエア関連の疑い事例は21年上半期に635件(5億9000万ドル)と、20年通年の487件(4億1600万ドル)を既に上回った。そして「ランサムウエア関連の支払いで最も一般的なのがビットコイン」だったという。

 アデエモ米財務副長官は19日、上院銀行委員会で証言し、金融制裁を同盟国などと多国間で行う必要性を強調。「ドルの金融システムを逃れるのが難しいなら、ドル、ユーロ、ポンド、円から逃れるのはほぼ不可能だ」と語った。しかし暗号資産の取引システムは、既存の金融制度の外にある。

 03年のイラク戦争後、米軍に拘束されたフセイン元イラク大統領は大量のドル紙幣を持って穴に隠れていた。しかし、今日の「米国の敵」が最後にすがるのは、スマートフォンのアプリ口座にあるビットコインかもしれない。(了)
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本日もメールマガジンをご覧いただき、ありがとうございました。素敵な週末をお過ごしください。来週もよろしくお願い致します。 中島

 

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