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日銀短観 依然遠い「コロナ前」水準

<2021年7月2日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
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2021/07/01 18:48

〔潮流底流〕依然遠い「コロナ前」水準=宿泊・飲食、ワクチンに希望―日銀短観

まん延防止等重点措置が始まった東京都内の飲食店街=6月21日午後、東京都港区
まん延防止等重点措置が始まった東京都内の飲食店街=6月21日午後、東京都港区

 日銀が1日公表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業非製造業の業況判断指数(DI)は1年3カ月ぶりにプラス圏へ浮上した。新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、宿泊・飲食など対面型サービス業にも希望が見えてきた格好だが、「コロナ前」の水準には依然遠く及ばない。米国と中国の景気回復による原材料価格の高騰に加え、東京五輪に伴う感染再拡大の懸念もあり、先行きは不透明だ。

 ◇ワクチン接種し旅予約

 旅行会社クラブツーリズムは「9~11月の予約状況は、コロナ前(2019年)の5割の水準まで戻っている」と明かす。予約を入れた理由として顧客から「ワクチンを接種したから」との声が寄せられているという。広報担当者は「まだ5割と思われるかもしれないが、(需要が蒸発した)これまでを考えれば、かなりの回復」と話す。

 ワクチン接種は、高齢者向け以外に6月に企業や大学などでも始まった。こうした動きを背景に、ANAホールディングス(HD)の片野坂真哉社長は6月の株主総会で「国際線は21年度末にコロナ前の5割の水準に戻ると想定している」と説明。顧客との対面を基本とする業界にとって、ワクチンの普及はまさに頼みの綱だ。

 外食業界もワクチン普及を追い風に需要回復を期待するが「19年の水準に100%戻る時期は見通せない」(外食大手のロイヤルホールディングス)。実際、短観の前回3月調査では、宿泊・飲食サービス業の景況感が6月に23ポイント改善すると予想されたが、結果は3分の1以下の7ポイントにとどまった。思い描いた回復軌道には乗っていないのが実情だ。

 東京など9都道府県の緊急事態宣言は6月20日に解除されたものの、既に感染再拡大の兆候が指摘されている。今月23日に東京五輪が始まれば競技会場の周辺で人の流れの増加が懸念される。4度目の緊急宣言が発令され、東京・銀座などが再び閑散とする事態になれば、景気回復に向けた道筋はいよいよ狭く、険しくなる。

 ◇原料価格高騰の影

 サービス業の回復に影を落とすのが、原材料価格の高騰だ。肉や食用油などの値段が上がり、収益圧迫の恐れが出ている。ロイヤルHDは「ステーキ用の牛肉など、現時点でも影響は出てきている」と打ち明ける。個人消費が勢いを欠く中、価格転嫁を避けるため各社は仕入れや物流の見直しを急ぐ。

 輸出が好調に推移する製造業でも影響は不可避だ。今回の短観で大企業製造業の先行きの景況感予想は悪化。「木材や化学、食料品などの業種で原料価格の高騰を懸念する声が上がっている」と日銀は説明する。自動車業界は半導体不足に見舞われ、需要があっても生産は滞りがち。日産自動車の内田誠社長は「自動車市場は不透明な状況」と表情を曇らせる。(了)
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今週もメールマガジンをご覧いただき、ありがとうございました。皆様、よい週末をお過ごしください。 春原(すのはら)

 

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