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米ニコラ株の迷走 「SPAC」上場に警戒強まる

<2020年10月23日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
今週は東京も一気に寒くなりましたね。社内でも暖かいドリンクを作る人達で給湯室が賑やかになってきました。
私も気分に合わせて色々なお茶を飲み比べています。それでは、今週の編集長コラムをどうぞ。

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米ニコラ株の迷走 「SPAC」上場に警戒強まる

AFP時事
AFP時事

 株式の時価総額がトヨタを抜き、自動車業界で世界最大となったテスラ。株価は今年に入って4倍以上と絶好調です。この社名は19世紀から20世紀にかけて活躍した電気技師「ニコラ・テスラ」に由来すると言われます。ファーストネームを社名にしたのが燃料電池トラックの開発・販売を計画するニコラです。同じ人物の名前を冠した2社の状況は、かなり違います。

 ニコラは、米国の株式市場で大流行している特別買収目的会社(SPAC)を活用して、ナスダック上場企業になりました。株価も一時的には急騰。二酸化炭素を排出しない大型トラックの未来感に富むデザインを目にして、絵に描いたような成長企業をイメージしました。市場で人気を集めるのも当然だと思っていると、突然、ニコラ株をカラ売りしている投資会社が「ニコラの技術に偽りあり」とするリポートを公表したことで状況が一変。創業者のトレバー・ミルトン氏は辞任し、株価は坂道を転げ落ちるように値下がりしました。

 まるでドラマのような展開。電気自動車、SPACという注目を集める2つの要素を兼ね備えたニコラの混乱を受けて、SPAC方式の上場に対する懸念も強まっています。SPACは企業を買収する資金調達だけを目的に株式を上場します。そして概ね2年以内に有望な新興企業を見つけて合併。これにより新興企業は上場企業になります。通常の新規公開に比べて、素早く、簡単に上場できるのがSPAC方式のメリットです。

 バロンズ・ダイジェストのウィークリー・マガジン最新号は、近いうちにSPACと電気自動車関連企業の合併が少なくとも6件あると伝えています。

 EVと特別買収目的会社:合併の死角

 バロンズは、SPACとの合併を計画する企業の業績見通しが「強気」で、利益予想は「楽観的」だと指摘。投資家に注意を呼びかけています。

 日本ではSPACは認められていないので、対岸の火事で済ませることも可能です。しかしここは、他山の石と受け止めるべきでしょう。SPACに似た制度を日本に導入する際の参考になります。まだ1台のトラックも売っていない電気自動車メーカーをめぐる迷走劇は、新興企業の技術力や将来性の評価の難しさをしっかり教えてくれました。
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今週も編集長コラムをご覧いただきありがとうございました。来週もよろしくお願いいたします。 春原(すのはら)

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