三菱商事企業年金基金、国内初、最新の年金管理システムを導入=体制強化・コスト改善・透明性向上-ラッセル・インベストメント
2025年09月02日 08時00分

米系運用会社のラッセル・インベストメントは、三菱商事企業年金基金が国内初となる最新の年金管理システムを導入したと発表した。運用管理体制の強化、コスト効率の改善、透明性向上に向けて、先進的な一歩になるという。
この管理手法は、エンハンスト・ポートフォリオ・インプリメンテーション(EPI、直投化一元管理プラットフォーム)。三菱商事企業年金基金は、日本株式とグローバル株式のアクティブ運用について、これまで通りに基金自身の判断でファンド選定を行い、同基金の信託勘定内で保有するが、ラッセル・インベストメントが売買執行や保有株式の管理を行い、一元管理プラットフォームを通じて可視化することで、ポートフォリオのリスク管理を日次ベースで行うことができる。
三菱商事企業年金基金の自家運用執行理事の田中亨氏は、年金運用のポイントについて「企業年金の運用者として受託者責任を果たしていくには、リターンを高めるだけでなく、運用コストを最小限に抑えるという視点も重要だ。投資のホライズンが長い年金運用においては、数ベーシスポイントのコスト削減であっても大きな意味を持つからだ」と指摘。
導入の理由について「従来の合同運用スキームから脱却し、ラッセル・インベストメントのEPIへ移行することで、運用コストは低減される。同時に実務上の運用・業務効率や資産保全の観点から、投資家が享受するメリットが多岐にわたることから、導入の判断に至った」(田中氏)と説明している
ラッセル・インベストメントの執行役員営業統括の堀池正臣氏は、EPIのメリットについて、「年金基金が、『より高い運用統制』『運用コスト削減』『柔軟な対応力』を実現するための強力な基盤になる。目まぐるしく変化する市場環境において、こうしたサービスの価値はますます重要になっている」と強調している。