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ウェルスナビ、資産分散の効果を検証=資産によって異なる値動き、トランプショックでも下落幅を抑制

2025年04月28日 07時00分

(出所)ウェルスナビ(出所)ウェルスナビ(クリックで表示)

 ロボアドバイザー最大手のウェルスナビ(東京、柴山和久社長)は、今年1月から4月中旬までの市況データを使い、資産の種類を分散させる効果を検証した。

 ウェルスナビでは「トランプショックで世界的に株価の下落が進み、金融市場は混乱したが、株式・債券・金・不動産を組み合わせて投資していた場合は、株式だけに投資していた場合に比べて、資産価格が下落する幅を抑えられたことが分かった」と分析している。

◆資産によって異なる値動き

 米国を代表する株価指数のS&P500は年初に記録的な高値を記録した。しかし、4月2日にトランプ米大統領が相互関税を発表すると、市場の予想を上回る内容だったため、急落した。その後もボラティリティの大きい、不安定な値動きが続いている。

 具体的に1月1日時点を100として各資産の動きを見ると、米国株は2割近く下落した一方で、金の価格は上昇した。

 ウェルスナビでは、リターンやリスクの考え方について「1つの資産に集中して投資して、高いリターンを得られ続けるかは分からない。『最近好調だから』といった理由で1つの資産に集中して投資すると、実は高いリスクを負っている可能性がある」と分析。

 「今回の分析は、短い期間における資産の種類ごとの騰落率を比較したが、中長期的に見ても、どの資産がこれから値上がりするのか予測するのは難しいことだ。あらかじめ、さまざまな資産に分散しておくことで、リスクを抑えながら資産を増やすことを目指せる」とアドバイスしている。

◆トランプショックでも下落幅を抑制

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 実際に、今年1月1日から4月中旬までのロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の「リスク許容度3」のパフォーマンスを検証したところ、S&P 500や、より広い範囲の世界の株式指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)に投資をした場合と比べて、下落幅が小さかった。

 ウェルスナビでは、急落時の投資家心理について「株価が大きく下落すると、多くの人は『このまま下がり続けるのではないか』『いまのうちに資産を売却したほうがよいのではないか』と不安になると思う。資産運用で取っているリスクが高すぎると、相場の下落時に大きく値下がりしやすく、不安になって資産を売ってしまう可能性がある」と指摘。

 「相場が下落して不安になる時期を乗り越えて、投資のリスクを抑えながら長く続けるために有効な方法が『分散』だ。投資する資産を分散し、リスクを抑えることで、短期的な相場の下落を乗り越えて、長く続けやすくなる」とアドバイスしている。

 また、資産分散の仕組みについて「米国の株式だけに投資している場合、米国の景気に大きな影響を受けることになる。投資対象を世界中の株式に広げると、特定の地域の影響を避けられる。さらに、投資対象の資産を株式だけではなく、債券や金、不動産といった値動きの異なるさまざまな資産に分散することで、よりリスクを抑えながら資産を増やすことを目指せる」と説明している。

◆WealthNavi

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 ウェルスナビは、同社が提供するロボアドバイザー「WealthNavi」について、「世界約50か国1万2000銘柄以上の資産に自動で分散投資を行っている。株式だけでなく、債券や金、不動産をバランスよく組み合わせて、リスクを抑えている」と紹介している。

 

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