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公募株式投信(除くETF)、3.5%減の137兆円=6カ月ぶりに減少-2月の投信概況

2025年03月14日 08時00分

 
(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 投資信託協会がまとめた2025年2月の投信概況によると、公募株式投信(除くETF)の純資産総額は、前月比3.5%減の137兆4959億円となり、6カ月ぶりに減少した。

 一方、公社債投信やETFを含む公募証券投信全体で見ると、純資産総額は前月比3.6%減の238兆3527億円となり、こちらは3カ月ぶりに減少した。

 月間の新規設定ファンド本数は30本、償還本数は27本だった。この結果、運用中のファンド本数は前月末比3本増加して、5766本になった。

◆NISAは順調に拡大、21カ月連続で資金流入超

 2月の公募株式投信(除くETF)の資金増減額はプラス1兆6066億円で、21カ月連続で流入超となった。過去最大だった前月よりは減少したものの、前年同月(1兆3851億円)を約2割上回っており、少額投資非課税制度(NISA)を通じて個人投資家からの資金流入が加速している。

 一方、2月の運用増減額はマイナス6兆2781億円だった。2月末は、日経平均株価が前月末比6.1%、NYダウが同1.6%、それぞれ低下した。さらに、月末の円相場は1ドル=149円67銭と、前月末(同154円43銭)より円高に振れるなど、厳しい運用環境だった。

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)


◆「設定」「解約・償還」、どちらも過去1年の平均を下回る

 2月の公募株式投信(除くETF)の純資金流入額を「設定」と「解約・償還」に分解すると、「設定」は3兆4690億円だった。過去1年間の平均(3兆7306億円)を下回った

 一方、「解約・償還」は1兆8624億円で、こちらも過去1年の平均(2兆3846億円)を下回った。内外の株式市場の下落により、利益確定の解約が出にくかったと思われる。

◆主な商品分類、いずれも流入超過に

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 主な商品分類別に資金増減額を見ると、「国内株式型」「海外株式型」「内外株式型」「内外資産複合型」のいずれも資金流入超になった。「海外株式型」は7674億円の流入で、過去最大の流入額だった前月よりは減少したものの、高い水準で流入が続いている。

◆ファンド併合で、不振ファンドの見直し加速

 2月は、大手運用会社がファンド併合を行い、運用不振のファンドの商品性を見直した。松下浩一会長は「多くの販売会社の協力を得て、規模の大きなファンドで見直しが行われた。このことが一つの分岐点になり、業界全体でファンドの併合、償還が増えてくるだろう」と述べた。

松下浩一会長
 

 

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