楽天証券のNISAイベント、家族連れでにぎわう＝iDeCoも紹介、資産形成に理解を深める

2025年02月12日 10時00分

　楽天証券は、２月１１日の祝日に「楽天証券NISA＆バレンタインフェア」を、東京都内のショッピングセンター前の広場で開催した。トークショーや個別ブースが用意され、少額投資非課税制度（NISA）や個人型確定拠出年金（iDeCo、イデコ）などの投資優遇制度や資産形成について理解を深めた。

　会場には、たくさんの家族連れが集まった。楽天の公式キャラクター「お買いものパンダ」との撮影会やマジックショーを楽しみ、２月１３日の「NISAの日」に向けて盛り上がった。

◆トークショー＝NISA とiDeCo

（出所）楽天証券2024年12月期決算説明会資料（クリックで表示）

　この日のイベントでは、「NISAって知ってる？」や「iDeCoとNISA、どっちがお得？ 知らないと損する節税メリットを解説！」をテーマにトークショーを開き、二つの制度を比較した。

　NISAは、「運用益が非課税になる投資優遇制度」だ。老後資金やライフイベントの準備、インフレ対策などの「お金の不安を解消」するために、国民の５人に１人が始めている。制度のポイントは、①１人１口座　②生涯の投資枠は１８００万円（年間３６０万円）　③非課税期間は無期限－の３点だ。投信のほか株式にも投資できて、いつでも引き出せ、翌年には投資枠が復活するなど利便性も高い。

　iDeCoは、「公的年金に上乗せする私的年金制度」だ。加入は自由で、自分で掛け金を拠出して投信等を積み立てる。国民の１００人に３人が始めている。ＮＩＳＡとの違いは税制優遇の大きさだ。積立時に掛け金の全額が所得控除され、所得税や住民額が減額される。運用時や受取時も税が優遇される。ただ、６０歳まで引き出せないなどの制約もある。

　iDeCoは昨年１２月、会社員の一部や公務員の掛け金の上限が引き上げられ、加入手続きが簡素化された。開催中の通常国会には、拠出限度額のさらなる引き上げや制度の簡素化を盛り込んだ改正法案が提出される見通しで、さらなる拡充が期待される。

　個別ブースでは、楽天証券の社員が「NISAやiDeCoの手続きや活用方法」などの質問に答えたり、昨年１２月に提供を開始した新しい資産づくりアプリ「iGrow™」の操作方法を説明したりした。ブースの周りは多くの人でにぎわった。

◆若年層や女性に投資が拡大

　楽天証券のNISAの状況について、新制度１年目の成果を振り返った。NISA口座数（ジュニアNISA除く）は、２０２３年１２月末の４６６万口座から、２０２４年１２月末には６００万口座へと、約３割増加した。稼働率は約８割と高い。

　年齢別にみると約半数が３０代以下だ。また、男女別では女性が半数を占めている。NISAをきっかけに、投資に接点の少なかった若年層や女性が、投資を始めている。

（出所）楽天証券2024年12月期決算説明会資料（クリックで表示）

◆「つみたて投資枠」と「成長投資枠」、二つの枠の併用が約４割

　新NISAは、年間１２０万円まで投信の積み立てができる「つみたて投資枠」と、株式を含めて年間２４０万円まで投資できる「成長投資枠」があり、二つの枠を併用することが可能だ。

　楽天証券でNISA口座を開設している人について、２０２４年１２月末の状況を見ると、「『つみたて投資枠』のみ」が５０．３％で、「『成長投資枠』のみ」が１２．３％で、二つの枠を併用している人が３７．４％と約４割を占めた。併用率は月を追うごとに増加しているという。

◆積み立て設定額、約８割増の４万円台に

　旧制度の「つみたてNISA」は、年間の投資上限額が４０万円だった。新NISAの「つみたて投資枠」は１２０万円と３倍に拡充された。楽天証券のNISA口座開設者では、毎月の積み立て設定額の平均が、２０２３年１２月末の２万４０２１円から、２０２４年１２月末には４万２８７０円と約８割増加した。

（出所）楽天証券2024年12月期決算説明会資料（クリックで表示）

（出所）楽天証券2024年12月期決算説明会資料（クリックで表示）

◆投資家の裾野が約３割拡大

　新NISA開始以降、国内株式（現物）や投資信託の保有者は、それぞれ約３割増加した。新NISAによって、株主や投信保有者が増加し、投資家の裾野が拡大したことが分かった。