「こどもNISA」、親世代への後押しが重要に=2年目の新NISA、「売却増加」や「未稼働口座」など課題-ニッセイ基礎研究所上席研究員の前山氏
2026年09月16日 06時01分

ニッセイ基礎研究所は、「新NISA2年目の利用実態と課題」をテーマに勉強会を開催した。金融研究部上席研究員の前山裕亮氏は、新NISAの加入対象者を未成年に広げる「こどもNISA」について、「制度変更は歓迎すべきだが、制度普及の効果は限定的になる可能性がある。親世代へさらなる後押しが必要だ」と述べた。
また、NISAの課題について、「制度の普及は着実に続いているものの、2年目は売却が増加するなど、長期投資の定着には課題もある。『未稼働口座』問題もあまり改善していない」と指摘した。
◆口座開設、「巡行速度で着実に続く」
金融庁のまとめによると、2024年1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)の口座数は、2年目が終った25年12月末時点で、前年比10.2%増の2820万口座に拡大した。
前山氏は、新規口座の開設状況について「新NISAをきっかけとした開設は一巡したが、その後も巡航速度で着実に続いている」と評価した。
◆新NISAの課題、「緩慢な残高増加」「売却増加」「未稼働口座」
金融庁のまとめによると、2025年末のNISA口座の残高は52.9兆円に増加した。ただ。24年末の残高(34.4兆円)に25年の買付(18.7兆円)を合算した水準にとどまった。前山氏は、「25年は株価が上昇するなどマーケット環境は良好だったが、評価益が売却に相殺されて、残高の増加は緩慢だった」と分析した。
同研究所が、日本証券業協会が全証券会社を対象に実施した調査データを使い、売却率を算出したところ、「つみたて投資枠」で約3%から約5%に増加した。前山氏は「マーケットが好調だったことで利益確定する人が増加したことが考えられる」と指摘した。
また、買付がない「未稼働口座」は全体の37%を占めており、あまり改善していないことが分かった。日証協のアンケート調査を見ると、投資未経験者では「投資の方法がよく分からないため」がNISA口座で投資しない理由のトップになっている。前山氏は「投資を始める人にとって『最初の1歩の壁』が大きいようだ。いかにサポートするかが課題になっている」と述べた。
◆こどもNISA、「親世代の後押しが必要」
こうした中、2027年1月から、NISAの加入対象年齢を未成年に広げる「こどもNISA」がスタートする。
前山氏は「投資の機会を広げることは非常に良いことだが、現状の課題を踏まえると、どこまで『こどもNISA』が活用されるか分からない部分がある」と指摘した。
現状では「親世代の口座普及率が40%未満」「口座の稼働率は70%程度」「つみたて投資枠で60万円以上買い付けている割合は25%程度」などの課題を抱えているためだ。前山氏は「制度変更と合わせて、親世代の後押しが重要だ」と述べた。



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