東京海上アセット、「US・高成長株式ファンド」を設定へ=イノベーションで破壊的変革を引き起こす高成長企業に投資-米ヴォヤIMのファンドマネージャーに聞く
2026年09月15日 07時00分
(左がマーク・ファニッツィリ氏、右がモーリツ・ダフナー氏) 東京海上アセットマネジメントは、米国株式に投資する「US・高成長株式ファンド(愛称:ライジング・チェンジャー)(毎月決算・予想分配金提示型/年1回決算型)」を9月25日に設定する。イノベーション(技術革新)に精通した運用チームが、独自の情報網と現地調査を駆使して、破壊的変革を引き起こす高成長企業を発掘する。
このファンドを実質的に運用する米国のヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシーのポートフォリオ・マネージャー、マーク・ファニッツィリ氏とモーリツ・ダフナー氏がこのほど、来日した。両氏に、このファンドの運用方針などを聞いた。
◆シリコンバレーの近くに運用拠点
-ヴォヤはどのような運用会社か
ファニッツィリ氏 米国の金融グループであるヴォヤ・フィナンシャル傘下の資産運用部門で50年以上の運用実績を持っている。2026年3月末の運用資産残高は約3500億ドルだ。多様なテーマ株ファンドを運用している。当ファンドの運用拠点は、イノベーションの中心地である米国シリコンバレーへのアクセスが良好なサンフランシスコ近郊にある。
ダフナー氏 Grassroots Research®と共同で、世界中の「現場の声」を収集する独自の調査ネットワークを運営している。当社の運用担当者も参加してアンケートを作成し、消費者や顧客、業界関係者などの草の根レベルの声を、機動的に集めている点がポイントだ。1980年代半ばから実施しており、質の高い調査を実現している。
◆イノベーションと破壊的改革に着目
-「US・高成長株式ファンド」の運用方針は。
ファニッツィリ氏 イノベーションがもたらす「破壊的変革」に着目しており、その企業が5~10年後に、その変化によって「しっかりと継続的にキャッシュフローを生み出すかどうか」を重要視している。
ダフナー氏 イノベーションと言うと、テクノロジー企業をイメージする人が多いと思うが、このファンドでは、ヘルスケアや資本財、一般消費財・サービス、素材など幅広い分野を見ている。また、「時価総額に捕らわれない運用」を行っており、超大型から中小型企業まで、幅広くアプローチしている点が特徴だ。その結果、時価総額・セクターともに分散されたコア・ファンドとしての一面も有する。
ファニッツィリ氏 テック以外でも、さまざまな分野でイノベーションが起きている。新興企業は、イノベーションの中心であり、画期的な商品・サービスを生み出している。成熟企業についても、生まれ変わろうとする企業は魅力的だ。しっかりと二つの成長の果実を取っていく。
◆異なる視点で幅広くディスカッションする文化
-運用チームの体制は
ファニッツィリ氏 運用チームには、さまざまなテーマやセクターをカバーするアナリストが参加している。また、ヘルスケア・バイオ、宇宙、サイバーセキュリティー、AIなど当社の注目ファンドの運用者も加わって、幅広く複合的な観点で、事象を分析できるユニークなメンバー構成になっている。
当社では毎日、複数の運用チームが参加して情報を共有するミーティングを開催している。そこでのテーマは、月曜日は「ヘルスケア・消費関連」、火曜日は「テクノロジー」といった感じだ。異なる見方でディスカッションすることで、ユニークな気づきを得ることができる。こうしたコラボレーションが文化として根付いている。
当社の運用拠点は、シリコンバレーから車で約1時間の場所にある。シリコンバレーではいろいろなイベントが開催されるので、米国にとどまらず世界中の企業と接点を持つことが可能だ。また、未上場企業にもアクセスして、イノベーションの最新動向をより深く知ることができる。
◆「高成長新興企業」「高成長転換企業」
-企業分析のフレームワークは
ファニッツィリ氏 投資先企業が、それぞれのライフサイクルの中で、どのステージにいるかを見極めることは、とても重要だ。このファンドでは、「高成長新興企業」と「高成長転換企業」に分けて分析している。
「高成長新興企業」は、上場して比較的新しい企業であり、長期的な成長可能性を持っている。市場がまだその成長力を評価していない時期に、当社独自の調査・分析で企業価値を見極め、魅力的なタイミングで投資することを目指している。
「高成長転換企業」は、革新的な新製品・サービスの開発や成長市場への新規参入により、既存ビジネスの転換が期待される企業だ。市場が見過ごしがちな変革の機会を捉えることを目指している。
ファンドのポートフォリオの中に、若い企業と成熟企業を合わせ持つことは、リスク管理の面でも重要だ。例えば、金利が上昇する局面では、相対的に若い企業がインパクトを受けやすいが、キャッシュフローを生み出す力がある成熟企業がクッション材になることが期待される。
◆チャレンジスピリット
-米国でイノベーションが活発な理由は
ファニッツィリ氏 一つは、「どんどん試して、失敗してもいい」という米国の文化の影響が大きいと思う。大学生が起業のために中退しても、恥ずかしいことではない。チャレンジスピリットが、定着している。
二つ目は、ベンチャーキャピタルによる資金提供が盛んなことだ。スタートアップ企業の活動を後押ししている。
三つ目は、企業や業種の枠を超えて、起業家を育成する交流の場が多いことだ。若い経営者が、学びやすい環境がある。



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