第5回FAカンファレンスを開催=開花期を迎えようとしているIFA業界-日本金融商品仲介業協会
2024年12月02日 08時30分
日本金融商品仲介業協会(中桐啓貴理事長)は29日、「第5回FAカンファレンス~開花期を迎えようとしているIFA業界」を開催した。
◆お客さまのゴール達成が目的
中桐理事長は、主催者挨拶で「金融リテール業界は、パラダイムシフトの中にある。金融商品を売ることが目的ではなく、アドバイザーがお客さまのゴールを実現することが目的であり、金融商品の提供は手段だ。こうした考え方を広めることで、この業界は改革期を迎えていく」と述べた。
協会の会員数は9月末時点で、正会員の金融商品仲介業者(37社)など82社に、外務員数は1846人(3月末)に、それぞれ拡大した。また、口座数は23万口座(同)に、資産残高は3.1兆円(同)に増加した。
顧客本位の業務運営の重要な指標である「資産収益率」は、正会員の平均で0.82%だった。資産残高に占める収益の割合を示しており、米国では1%程度だという。中桐理事長は「お客さまに良い金融商品を長期に保有していただいており、回転売買などを行っていないことの証左になる」と指摘した。
◆安定的な資産形成へ、好循環を作り出す
この日は、「資産運用立国に向けた取組み及び金融商品取引法等の改正について」をテーマに金融庁企画市場局市場課長の齋藤将彦氏が基調講演を行った。
齋藤課長は、資産運用立国実現プランの全体像をまとめたインベストメントチェーンについて、「家計資産が、販売会社と資産運用会社を通じて企業に流れ、企業のリターンが家計に戻っていく好循環を導くことを目指している」と指摘。「『資産運用業・アセットオーナーシップの改革』が残された課題になっている」として、具体的な施策を紹介した。
また、1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)について、「昨年、旧NISAは1年間で買付額が5兆円増加したが、今年は1-6月の半年で買付額が10兆円増加しており、新NISAを利用した投資が進んでいる」と評価した。
口座数も2428万口座(6月末)となり、成人の4人に1人が開設している計算になる。年代別では、30代、40代の若手が大きな割合を占めている。齋藤課長は「NISAの狙いは、『長期・分散・つみたて』であり、手元の余剰資金が少なくとも投資するというスタイルが浸透してきたことを、頼もしく思う。われわれとしても、しっかりサポートしていきたい」と述べた。
◆マスコットに「ふくのすけ」
この日は、協会マスコットキャラクターに決まった「ふくのすけ」がお披露目された。縁起が良く、知恵の象徴である「フクロウ」と仲介業の「介(すけ)」から、命名された。
このほか、「ファイナンシャルプランニングツールの最前線」と「NISAを活用したポートフォリオ構築について」をテーマに二つのパネルディスカッションが行われ、IFA座談会「日本におけるゴールベース資産管理の実践者に聞く」が開かれた。