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楽天証券、アドバイザーサービスを拡充=あらゆる層の投資家を対象に-生涯を通じてゴール達成をサポート

2024年08月07日 08時30分

大嶋広康副社長

 楽天証券は、「アドバイザーサービス」のラインアップを拡充し、あらゆる層の個人投資家にアドバイスを提供できる体制を整えている。お客さまそれぞれに最適な方法で、生涯にわたる資産運用をサポートする。

 具体的には、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)による対面相談に加えて、楽天証券社員(有資格者)がパソコンやスマホでオンライン面談やチャット相談を行う「withアドバイザー®」を昨年12月にスタートした。さらに2024年5月には、質問に答えると最適な資産配分で運用を投資信託でおこなえるロボアドバイザー「ウェルスナビ×R」を追加した。より初心者向けの同様のロボアドバイザー「らくらく投資」とあわせ注目を集めつつある。

 大嶋広康副社長は、「お客さまが資産づくりを始めるだけでなく、それぞれのゴールの達成に向けて投資を続けられるように、あらゆる層のお客さまに適したアドバイザーサービスを提供し、お客さまが自分らしい豊かな人生を、お金の不安なく歩んでいけるように応援していきたい」と話している。

◆成功の秘訣は一つ、「投資を始めて続けること」

-なぜアドバイスが必要なのか

大嶋副社長 当社は「あらゆる個人が、資本市場の成長を正しく享受するために、資産の一部を有価証券で保有することが、是(ぜ)である」と考えている。株式や投資信託、債券などに投資して、インカムゲインやキャピタルゲインを得る。いわゆる「お金に働いてもらう」ことは大切だ。

 投資の成功にたどり着く秘訣(ひけつ)は、たった一つしかない。それは、「投資を始めて続けること」だ。ただ「あしたの株価が、上がるか、下がるか」は、誰にも分からない。こうした中で「投資を始めて続ける」ために必要となるのが、アドバイスだ。

 米国では、個人投資家がアドバイザーを雇うことが普通になっている。米国の勤労者が積立投資を継続し、米国の経済成長を享受して生涯賃金を上回る退職資金を用意できるのは、アドバイザーがついているからだ。

 米国の投資家は、経済危機で相場が急落したり、低迷したりする時期を何度も経験している。その時、もし個人投資家が自分一人だけであったら、耐えられなかっただろう。危機に直面しても積立投資を継続できたのは、アドバイザーがいたからだ。

 投資を継続するには、人によって耐えられる保有方法があり、信じられる哲学がある。お客さまの好みを知り、哲学を理解し、正しいポートフォリオを提案し、投資を続けるために伴走する。それがアドバイザーの役割だ。

 アドバイザーは、お客さまが投資をスタートするときに、「何のために投資するか」をしっかりと話し合い、明確な目的を持っていただく。そうしておくことで投資家は、何が起きても冷静さを失わず、「投資を継続する」という強い意志を持つことができる。

 日本でもインフレが継続しており、資産価値を守るために、投資の必要性はどんどん増している。一方、これまで世界の株価は順調に上昇してきたが、今後はいろいろな環境変化が考えられ、相場が調整局面を迎えることもあるだろう。

 個人投資家の資産運用をサポートする伴走者として、アドバイザーの役割はますます重要になっている。

◆対面・オンラインの双方からアドバイス

-アドバイザーサービスのこれまでの展開は

(出所)2024年12月期 上半期決算説明会資料(出所)2024年12月期 上半期決算説明会資料(クリックで表示)


大嶋副社長 楽天証券は1999年に創業した。日本で株式の取引委託手数料(コミッション)が完全自由化された年だ。インターネット証券として、オンライン上で株式等の売買を仲介するブローカレッジ・プラットフォームを提供してきた。

 当社のIFA事業は、2008年10月にスタートした。IFAは金融商品仲介業者に所属しており、お客さまのライフプランに沿ったアドバイスを行い、生涯の資産運用をサポートする。欧米では、医師や弁護士と並び、人生の重要なパートナーとして、広く活躍している。

 当社は、志を同じにするIFA事業者を厳選して業務委託し、売買システムや情報ツールなどのプラットフォームを提供している。お客さまはIFAのアドバイスを受けながら、当社に口座開設をして有価証券に投資していただいている。

 2023年12月には、お客さまの資産づくりの課題や悩みをオンライン面談やチャットを通じて楽天証券社員がサポートする「withアドバイザー®」を立ち上げた。楽天証券らしくオンラインをベースにサービスを展開することで、より幅広い個人投資家に気軽にアドバイスを利用していただけけるようになった。

 このほか、2016年7月に、大手ネット証券で初めて投資一任型運用サービス「楽ラップ」をスタートした。オンラインでいくつかの質問に答えると、株式や債券等に分散投資したポートフォリオで運用してくれる。「長期的な運用をしたいが、どの投資商品を選べばよいか分からない」「自分の投資目的や期間に合わせて最適な運用をしたい」といったお客さまの声に応えたサービスだ。

 さらにロボアドバイザーでは、2021年6月に投資初心者にも分かりやすい「らくらく投資」を、2024年5月にはロボアドバイザー最大手の「WealthNavi」の最適ポートフォリオで運用する「ウェルスナビ×R」をスタートした。どちらも新しい少額投資非課税制度(NISA)に対応している。

◆IFAの預かり資産は1.7兆円

-IFA事業の現状は

大嶋副社長 当社が業務委託するIFA事業者は130社で、登録IFAは4000人を超えた。顧客数は約15.4万人、預かり資産は1.7兆円と、どちらも前年同期比で4割程度増加している(2024年6月時点)。当社は、業務委託するIFA事業者を厳重に審査し、「事業計画がしっかりしていてビジネスモデルが持続可能であること」「内部管理について意識と知識が高いこと」などの条件を満たしたIFA事業者とだけ、契約している。

-楽天証券のIFA事業の強みは

大嶋副社長 お客さまを生涯にわたってサポートするには、契約したIFA事業者に必ず事業に成功してサービスを継続してもらうことが不可欠だ。当社は、IFA事業者と契約した後も、経営状況やサービス内容を把握し、内部管理や教育ツールなどさまざまな分野でIFA事業者を応援し、お客さまに質の高いサービスを持続的に提供している。

 当社は社内にIFAコンプライアンス部を設けて、IFA事業者の取引状況を日次でモニタリングしている。疑義がある取引については、直ちに確認書を出してチェックする。それぞれのIFA事業者は、自社としても内部管理体制を構築している。

◆フィー型ビジネスを推進

-IFAのビジネスモデルのポイントは

大嶋副社長 当社は、IFAのビジネスモデルについて、有価証券の取引のたびに発生する取引手数料(コミッション)ではなく、預かり資産残高に応じていただく管理手数料(フィー)を基盤にした収益体制の構築を推進している。米国ではフィーベースでビジネスを展開するアドバイザーが主流になってきている。

 フィー型のビジネスは、資産残高に応じて手数料が変動するので、お客さまの資産が増えれば、アドバイザーがいただくフィーも増加する。もし、お客さまの資産残高が減れば、アドバイザーが受け取るフィーも減少する。お客さまとアドバイザーの間の利益相反は小さく、アドバイザーはお客さまの資産を殖やすために全力で対応することが報酬体系に組み込まれている。

 フィー型のアドバイザーは、お客さまに頻繁に売買を勧める必要はなく、定期的にお客さまの資産状況を確認して、必要なアドバイスすればよい。自己研さんのために時間を作ったり、他業種の専門家とのネットワークを広げたりすることで、アドバイスの質を高めることができる。

◆オンラインで幅広い投資家にアプローチ

-「withアドバイザー」のサービス内容は

大嶋副社長 「withアドバイザー®」は、ファイナンシャルプランニングなどの資格を持った楽天証券社員が、オンラインでお客さまの資産づくりに関する課題や悩みにアドバイスするサービスだ。現在は無料で利用していただける。

 オンライン面談の「アドバイス・プレミアム」は、楽天証券で預かり資産1,000万円以上のお客さまが対象だ。資産運用のみならず、相続や不動産、保険についても、提携会社と連携してお客さまをサポートすることが可能だ。

 チャット形式の「アドバイス・ベーシック(ベータ版)」は、楽天証券の口座をお持ちのお客さまならだれでも利用できる。簡単なプロフィールを入力し、相談したい項目を選択することで、資産運用に対するアドバイスや資産づくりの相談ができる。

 銀行や証券会社の対面サービスは、富裕層向けに対象をしぼる傾向がみられる。当社は、オンラインの特徴を生かして、あらゆる層のお客さまが持つお金の不安を解消できるようにアドバイスを提供していきたい。資本市場の成長を享受するには、お客さまに投資を続けていただかなくてはいけない。マーケットが大きく変動する局面もあるだろうが、アドバイスを通じてお客さまをしっかりサポートしていきたい。

 

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