「成功体験」が新NISA拡大の原動力に-フランクリン・テンプルトン・ジャパンの髙村社長
2024年06月26日 08時15分
4月1日にフランクリン・テンプルトン・ジャパンの社長に就任した髙村孝氏は、21日に記者会見し、新NISA(少額投資非課税制度)について「拡大のカギは『成功体験』だ。この制度を使って投資を始め、資産が増えるといった成功体験を積む人が増えていることは、いい傾向だ」と評価した。
その上で、新NISAの運用状況について「ポートフォリオが、海外株式のインデックスファンドと現金という構成になっている方が多いようだ」と指摘。「この二つの間を埋める商品を提供していきたい」と話した。同社では、人気の債券ファンドに隔月決算型を追加するなどして、新NISAの対象ファンドを拡充している。
親会社のフランクリン・テンプルトンは、米カリフォルニア州のシリコンバレーに本社を置く、世界最大級の独立系運用会社だ。1947年の設立で、日本には1996年に事務所を開設した。株式を公開しているが、創業家が経営に携わり、長期的な視点で運用サービスを展開しているという。
運用総資産は約249兆円(1.6兆米ドル、2024年3月末時点)。債券や株式などの伝統的な資産に加えて、非伝統的な資産クラスであるオルタナティブの専門会社を買収するなどして運用力を強化している。また、米マイクロソフトと人工知能(AI)プラットフォームの開発で提携するなど、デジタル分野に力を入れている。
同社は企業ミッションとして「世界中のお客さまが人生で最も重要な経済的な目標を達成できるように支援すること」を掲げている。髙村社長は、「子どもや孫の世代を視野に長期の資産運用サービスを提供している」と話した。