「インフレ対策を取っている」が約4割に増加=投信保有者にアンケート-東京海上アセット
2024年03月29日 08時30分
東京海上アセットマネジメントが投信保有者に実施した「インフレ実感と投資行動に関する調査2024」によると、投資を通じてインフレから資産を守る対策を取っている人は、回答者の38%と前年調査(25%)の1.5倍に拡大した。調査は今年2月、20歳以上の男女1200人にインターネットで行った。
「対策を取っている」と回答した人に今後の対応を尋ねたところ、「投資の金額を増やしたい」が72%でトップだった。同社は「インフレの影響によって資産価値が目減りすることへの対策を目指した、投資意欲の高まりが示唆される結果になった」と分析している。
一方、「必要性は感じるが、対策を取っていない」と回答した人にその理由を尋ねたところ、「どのような対策が必要か分からないため」が約7割を占めた。「知識不足のために不安を感じながらも対策に移せていない個人投資家が引き続き多くいることが分かる」(同社)と見ている。
◆インフレ実感
調査の中で「物価は1年前と比べてどう変わったか」と尋ねたところ、「かなり上がった」と「少し上がった」の合計で93%に達した。前年調査の86%を上回った。また、見通しについては「長く続く(3年超)」が37%と前年調査(28%)から大きく増加した。
商品やサービスの値上げが長期にわたって続いており、インフレの常態化を予測する人が増えていることが分かった。
こうした中、インフレが資産価値を目減りさせることについて「とても心配している」と「やや心配している」の合計は78%に上った。前年調査(84%)と同様に、高い割合を占めた。
◆投資スタンス
調査の中で、投資信託を保有する目的を尋ねたところ、首位は「老後に備えた資産形成のため」(71%)、2位は「値上がり益を得たいため」(51%)だった。また、投資を継続する上で、どの程度の下落幅まで許容できるか」と尋ねたころ、「-10%まで」が50%、「-30%まで」が28%だった。
同社では「老後に備えた資産形成が強く意識されるなか、リスク許容度に合わせた投資が求められる」と指摘している。
◆NISA活用方法
1月にスタートした新NISA(少額投資非課税制度)について「『つみたて投資枠』と『成長投資枠』をどのように活用するか」と尋ねたところ、「それぞれ違う商品を購入する」が36%でトップだった。次いで「枠にこだわっていない」(15%)、「『つみたて枠』のみ利用する」(14%)、「同じ商品を購入する」(11%)の順だった。
同社では「幅広い商品に投資できる『成長投資枠』を利用したいニーズが確認できた」と分析している。
また、この設問で「NISAは利用しない」とする回答は9%にとどまった。投信保有者において、NISAの普及度の高さがうかがえた。
【ニュースリリース】「インフレ実感と投資行動に関する調査2024」を実施~物価上昇の実感は9割超に資産価値の目減りを防ぐ対策として投資意欲高まる~
https://www.tokiomarineam.co.jp/pdf/web/viewer.html?file=/news/2024/klholn0000000ijx-att/20240328release.pdf#page=1