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「SBI・V・S&P500」、1.5兆円を突破=レンディングでコスト引き下げ目指す=SBIグローバルアセット

2024年03月22日 13時30分

設定来の純資産総額推移(クリックで表示)

 SBIグローバルアセットマネジメントは、子会社のSBIアセットマネジメントが運用する「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(愛称:SBI・V・S&P500)」の純資産総額が、2019年9月の設定から約4年半で1.5兆円を突破したと発表した。

 このファンドは、世界最大級の投信会社で、インデックスファンドの草分け的存在である米国バンガード社と共同組成した公募投信で、米国の代表的な株価指数の一つであるS&P500に連動する投資成果を目指している。

 SBIグローバルアセットマネジメントは、資産拡大の理由について「年率0.0938%(税込み)という低い信託報酬率に加え、新旧の少額投資非課税制度(NISA)での活用などを背景に、投資家から評価をいただき、設定来54カ月連続で資金流入超が継続した結果だ」と分析している。

◆新スキームのレンディング

 SBIアセットマネジメントは、ファンドがポートフォリオに所有する資産を活用して、本邦初となるスキームで「有価証券貸付取引(レンディング)」を開始する。「リスクを抑えながらファンドのリターンを高め、かつ実質的な報酬を引き下げる取り組みを積極的に行う」方針だ。

 26日以降、このファンドからレンディングを開始し、今後順次、他のファンドにも拡大していく。

 有価証券のレンディングとは、機関投資家や年金、投資信託などが保有している有価証券を内外の証券会社に貸し付けることで、賃借料を受け取り、パフ―マンスの向上と経費の低減につなげるものだ。海外では広く利用されており、日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)も、外国株式レンディングの再開を発表している

信託報酬削減効果のイメージ(クリックで表示)

 新スキームの特徴は、①国内信託銀行が中心的な存在になる ②ファンドが受領する品貸料の3分の2程度が追加収益となって実質的な信託報酬の削減効果が生じ、パフォーマンス向上に資すると見込まれる ③レンディング残高の100%以上の担保や、日次での担保必要額のモニタリングなどで、貸出先の破綻など不測の事態が生じた場合でも、ファンド資産への影響が極めて限定されるスキームが構築されている-という。

 

 

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