Z世代、「失敗は避けたい」がトップ=「投資は難しい・ギャンブル」の払拭を-投信協会アンケート
2024年03月15日 08時30分
投資信託協会は、15~34歳の「Z世代」と呼ばれる若年層の価値観・行動を把握し、投信の利用促進に資するため、「投資信託に関するアンケート調査(Z世代調査)」をまとめた。調査は昨年10月、全国の15~34歳の男女3000人に実施した。
◆「失敗したくない」「好きなことには時間惜しまず」
調査の中で「生活・人生上の価値観」と尋ねたところ、トップは「失敗はできるだけしたくない」だった。2位は「必要なこと・好きなことには時間を惜しまない」、3位は「できるだけ簡単に手早く済ませたい」だった。
◆投資は「投機・ギャンブル」ではない
「投資に対するイメージ」は、「難しい・勉強や知識が必要」「ギャンブル・賭け事のように感じる」などネガティブのものが上位を占めた。特に、投資に関心が低い層では、そうしたイメージが強かった。
投信協会は「こうした層では、投信の認知度が低く、FX(外国為替証拠金取引)や暗号資産/仮想通貨と同じように投機的な商品だというイメージが先行している可能性が考えられる。『投資は投機でない』ことの訴求が必要だ」と分析している。
◆将来に備えた投資で、精神的なゆとり
「お金に関する価値観」を見ると、資産形成に関しては、「将来を考えてお金を着実に準備しておきたい」「お金に振り回されない程度に平均的な生活を送りたい」といった回答が上位だった。
一方「生活・人生上の価値観」を見ると、「自分で考えて判断し、行動できるようになりたい」と自ら決定することに前向きで、「先行きの分からない状況に強い不安を感じる」としている。
このため、投信協会では「将来に備えた投資行動が、先行きの不安やストレスを軽減し、精神的なゆとりにつながることを、伝えることも考えられる」と指摘した。
◆「ライフイベント」で情報提供
調査ではこのほか、「出産・育児」「結婚」で必要なお金の用意について、女性は男性より株や投信で運用する比率が低いことから、「女性のライフイベントと関連付けた投資情報やシミュレーションの提供、『パートナーと共に学べる投資コンテンツ』による訴求などが考えられる」とした。
◆子ども時代からの金融経済教育
さらに、金融経済教育の経験者が3割弱にとどまることから、「2022年には高校で金融教育が拡充されたが、学校・家庭等を問わず、さらなる教育機会の拡大が必要といえる」と指摘した。
その上で、「投資に関する親との会話も、リテラシーに影響を与えると考えられることから、『親子で投資を学ぶツール』の提供等の施策が考えられる」と指摘した。
【ホームページ】投資信託協会
https://www.toushin.or.jp/