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公募投信残高、218兆円に拡大=4カ月連続で過去最高を更新-2月の投信概況

2024年03月14日 09時00分

 
松下浩一会長

 投資信託協会がまとめた2月末の公募投信残高は、前月比4.9%増の218兆5227億円となり、4カ月連続で過去最高を更新した。日銀や機関投資家が多く保有する上場投信(ETF)を除いた残高は、前月比4.7%増の116兆8934億円となり、こちらも4カ月連続で過去最高を更新した。

 公募株式投信(除くETF)で資金動向を見ると、国内・海外・内外株式型や国内・海外債券型などに資金流入が継続したことで、1兆3851億円の純資金流入となり、9カ月連続で流入超になった。新しい少額投資非課税制度(NISA)がスタートして2カ月目だが、純流入額は1月と同様に高い水準になっており、07年8月(1兆4659億円)以来の規模を継続した。

 松下浩一会長は、史上最高値の4万円台に上伸した日経平均株価について、「2月は前月末比7.9%増と、米国株を上回って世界で一番上昇した。割安だった日本株の修正局面なのかなと思っている」と分析した。その上で「東証の市場改革や、企業のガバナンス改革、新NISAの開始などいろいろな要因があるだろう。米国の株式市場が変調を迎えるまでは、ある程度、堅調に推移するかなと見ている」と話した。

 足元の資金流入動向については、「1月の設定額は3兆7819億円、2月が3兆7367億円と、いずれも年間平均(2兆5659億円)を大きく上回る高水準だった。3月も途中経過の数値をみると、あまり変わらないペースでお金が入ってきているようだ。新NISAの影響は、1月だけでなく、2月、3月と続いているという印象を持っている」と指摘した。

(出所)投資信託協会(出所)投資信託協会(クリックで表示)

 一方、「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に分けて、資金流入動向を見ると、2月はインデックス型が1兆7000億円、アクティブ型が約1兆9000億円とほぼ五分五分だった。新NISAでインデックス型が人気になっているためだ。過去は、アクティブ型が人気だったため、残高ベースでみるとインデックス型が全体の3割、アクティブ型が7割を占めている。

 松下会長は「運用各社はアクティブ型の運用に力を入れて取り組んでいる。新NISA対象ファンドに絞って、インデックス型とアクティブ型のパフォーマンスを比較するとどのような結果が出るか、注目したい」と指摘した。

(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計(2024年2月)(出所)投資信託協会「投資信託の主要統計(2024年2月)(クリックで表示)

 

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