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日本への投資を拡大=エネルギー転換や再生型農業に-欧州オルタナティブ大手のティケオー社

2023年12月06日 08時00分

(アントワーヌ・フラマリオン共同創業者)(アントワーヌ・フラマリオン共同創業者)

 欧州の大手オルタナティブ運用会社ティケオー・キャピタル(本社パリ)は、日本への投資を拡大する。来日したアントワーヌ・フラマリオン共同創業者は記者会見し「日本における取組みを加速して進めたい」と述べた。具体的には、「脱炭素に向けたエネルギー転換」や「環境再生型農業」、「サイバーセキュリティー」をテーマに、数十億ユーロを投資する考えだ。

 同社は2004年の創業。プライベート・デット(銀行以外による企業向け融資)やプライベート・エクィティ(私募株式)などのオルタナティブ(上場株式や債券以外の金融商品)を組成し、投資家から集めた資金を企業に投融資している。運用残高は約420億ユーロ(9月末時点、約6.4兆円)に上る。2019年に東京にオフィスを開設した。

 例えば、エネルギー転換の分野では、脱炭素に特化した欧州初で最大級の規模となるプライベート・エクィティのファンドを2018年に組成した。機関投資家から14億ユーロ以上の資金を集め、省エネや再生エネルギー、クリーンな交通手段などの分野で成長中の企業に投資している。

(トマ・フリードベルジェ副CEO)(トマ・フリードベルジェ副CEO)

 トマ・フリードベルジェ副CEOは、今後について「第2号ファンドの準備を進めており、その規模は、エネルギー企業や当社自身の共同投資を含めて30億~40億ユーロになりそうだ。このファンドでは、日本の機関投資家の資金を増やすとともに、脱炭素化を進める日本企業にも投資していきたい」と話した。

 岸田文雄首相は、「資産所得倍増プラン」や「資産運用立国」を盛り込んだ経済政策「新しい資本主義」を推進しており、9月に米ニューヨークで講演した際も、海外企業や投資家に日本への投資を呼び掛けていた。

 

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