生活者と「温室ガス・ゼロ」に挑戦=日本総研と民間企業9社がコンソーシアム設立
2023年09月12日 14時15分
日本総合研究所(本社東京、谷崎勝教社長)と民間企業9社は、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量の実質ゼロ)の取り組みを加速するため、共同企業体「チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC)」を設立した。
◆脱炭素を「自分ゴト化」
身近な商品や売り場を通じて、生活者に「脱炭素に触れ、学び、取り組む機会」を提供することで、脱炭素を「自分ゴト」として捉えてもらい、行動変容を促す。来年3月までにさまざまな実証実験を行い、その成果を検証する。
コンソーシアムには、Daigasエナジー(本社大阪市)、アサヒグループジャパン(東京都)、アスエネ(東京都)、サラヤ(大阪市)、三幸製菓(新潟市)、スギ薬局(愛知県)、日本ハム(大阪市)、万代(東大阪市)、ユーグレナ(東京都)の9社が参加した。
さらに、次年度以降も、参加企業を日用品や食品メーカーを中心に、卸、小売流通、サポーターなどに拡大し、発展させていく方針だ。
◆「買い物」「教育」「お金」
日本総合研究所の谷崎社長は、「当社は、『次世代起点でありたい未来をつくる』というパーパスを掲げ、生活者との対話を通じて、持続可能な社会の実現を目指している」と紹介した。その上で、このプロジェクトでは「クリーンな未来の実現に向けて、『買い物』『教育』『お金』という三つの切り口から、さまざまな取り組みにトライしていきたい」と述べた。
◆「減CO2(ゲンコツ)」を推進
このコンソーシアムでは、生活者が脱炭素に触れ、楽しく学び、興味を持って取り組んでもらうことで、脱炭素社会の実現に挑戦する「みんなで減CO2(ゲンコツ)プロジェクト」を推進する。また、参加企業同士の情報交換・勉強会を開催したり、脱炭素に関する情報発信・啓発活動を行ったりする。
設立発表会で、国立環境研究所の金森有子主幹研究員は「日本の温室効果ガスの排出量は減少傾向にあるが、2050年にカーボンニュートラルを実現するには、さらに取り組みを加速する必要がある」と述べた。
◆一人ひとりのライフスタイルの見直しを
その上で、「家庭内でのエネルギー消費に限って見ると、CO2(二酸化炭素)排出量は日本全体の15%程度に過ぎないが、生活に関連する商品・サービスの生産や輸送に伴うCO2排出量を加えると全体の6割程度を占める」と指摘。
「自宅での過ごし方、移動、買い物などさまざまな場面で、私たち一人ひとりがライフスタイルを見直すことは、温室効果ガス排出量の削減に向けて重要なポイントになる」と強調した。