「生活をより良くしてくれる企業」を応援、投資成果も得る=アクティブ運用の魅力は-三井住友DSの古賀氏
2023年07月13日 09時00分
ファンドマネージャーが投資銘柄を選定する「アクティブ運用」の魅力は何か-。日本株投信「アクティブ元年・日本株ファンド」を運用する、三井住友DSアセットマネジメント運用部の古賀直樹シニアファンドマネージャーに話を聞いた。
◆3000件を超える企業を取材
-アクティブ運用担当者の日常は。
古賀氏 このファンドは、個別企業の業績や財務分析を積み上げるボトムアップ・リサーチに基づき、企業規模にとらわれることなく、「企業価値の向上」や「市場評価の見直し」が期待される銘柄に選別投資している。
4人のファンドマネージャーが年間、延べ3000件を超える企業を取材して経営者や幹部と対話し、その企業の「ちょっと先の未来」を見極め、社会に付加価値を提供する「いい企業」を選択している。
◆社会課題を解決、同時に投資成果も得る。
-アクティブ運用の魅力は。
古賀氏 投資は、経済活動の一つだ。「自分たちの生活をより良くしてくれる企業」に余資を投じることで企業が成長し、新しいモノやサービスが生み出される。その結果、私たちの暮らす社会の課題が解決・改善されるとともに、投資成果も得ることができる。こうしたことが、アクティブファンドに投資する魅力だと考える。
日本には未来に向けて成長できて、企業価値を高めていける企業がある。私たちは、「社会課題の解決や改善のために、新しいモノやサービスを提供している企業」や「変化を生み出している企業」、「変化に対応して新たな価値を提供していく企業」を、徹底したリサーチを通じて発掘している。
◆「未来の変化」が収益をもたらす
-投資成果の源泉は
古賀氏 投資成果は「未来の変化」だ。その不確実性が、投資収益の源泉になる。未来をしっかりと見据えて、投資対象を選択することが、ファンドマネージャーの醍醐味だと考えている。
◆ちょっと先の未来に企業価値・市場評価が高まっている企業
-どんな企業に投資しているのか
古賀氏 投資家の皆さまには「ちょっと先の未来に企業価値・市場評価が高まっている企業に投資します」と説明している。
「企業価値」は、企業が社会に対してしっかりと付加価値を提供することで、拡大していく。「市場評価」は、株式の需給で短期的に動く。投資収益のベースとして「企業価値」を中長期的に重視しならが、「市場評価」も判断基準に入れて投資している。
◆個人投資家の選択肢にもっと入っていけたら嬉しい
-個人投資家の現状は。
古賀氏 指数に連動した投資成果の獲得を目指すインデックスファンドに、個人投資家の資金が集まっている。特に米国株のインデックスファンドが全盛だ。投資商品として、そうした分かりやすく低コストのファンドが注目され、資金が集まっている状況は、よく分かる。ただ、高品質のアクティブファンドも、個人投資家の選択肢にもっと入っていけたら嬉しい。ぜひ、多くの個人投資家の方に、アクティブファンドを経験してほしい。さまざまな機会をとらえて、アクティブ運用の考え方や魅力について今後も情報発信を続けていきたい。
-新しいNISAの期待は
古賀氏 来年1月に新しいNISA(少額投資非課税制度)がスタートする。投資に対する関心が高まり、実際に資金が動くきっかけになるという点で、国内株式市場にプラスに働くと考えている。現在の投資家の人気を考えると、米国株やインデックスファンドにお金が動いていくかもしれないが、国内株式やアクティブファンドに回ってくる資金も少なからずあるだろうと期待している。