ウォール・ストリート・ジャーナル
バロンズ・ダイジェスト

マーケットニュース

日興アセット、「Ni つみインデックスラップ」を新規設定=10指数分散は「つみたてNISA対象ファンド」で最多

2023年07月03日 09時00分

金澤拓也氏

 日興アセットマネジメントは、グローバルに株式・REIT(不動産投信)・債券の10種類の指数に分散投資するバランスファンド「Ni つみインデックスラップ世界10指数(均等型)/(安定成長型)」の運用を開始した。

 10指数への投資は、「つみたてNISA(少額投資非課税制度)対象ファンド」の中で最も多い。値動きが異なる多くの指数に分散投資することで、基準価額の変動を抑えつつ、幅広い収益機会の獲得を目指す。商品開発部バイスプレジデントの金澤拓也氏は、「『安定的な値動きのファンドでじっくり資産形成したい』と考える投資家に選択肢を提供したい」と話している。

-設定の狙いは。

金澤氏 1月に新しいNISAがスタートする。新しく投資を始められる方を含め、幅広い投資家に利用していただけるように、中程度のリスク・リターンで、分かりやすく、一括投資だけでなく積立投資にも適したファンドを目指して設定した。

 株式・REIT・債券という三つの資産は値動きが異なる傾向にあるので、それらを組み合わせることで、さまざまな相場局面で補完し合う効果が期待される。また、インデックスファンドに投資するので、値動きが分かりやすく、中長期の積立投資に適したファンドになっている。

-設計の工夫は。

金澤氏 世界の株式・REIT・債券に「ヘッジありの先進国株式」と「ヘッジありの先進国債券」を加え、10種類の指数に投資する。一つのファンドに投資するだけで、株式・REIT・債券という三つの資産に分散投資ができる。また、日本・先進国・新興国という地域の分散投資も実現できる。

 「ヘッジありの先進国株式」と「ヘッジあり先進国債券」を加えることで、実質的な円建てと外貨建て資産比率を50対50にした。相場が円高に振れても、半分の資産はヘッジできている。反対に円安に振れた場合、ポートフォリオの半分の資産はリターンの積み上げに寄与してくれる。

-「均等型」と「安定成長型」の違いは。

金澤氏 「均等型」は、10のインデックスに同じ比率で投資する。こちらは「分かりやすさ」が特徴だ。ポートフォリオの資産配分を見ると、株式が40%、REITが20%、債券が40%になる。過去のデータから試算したリスク水準は年率11%程度だ。

 「安定成長型」は、株式・REIT(不動産投信)・債券のリスクウエイトを同じ程度に設定した。均等型に比較すると、リスクの高い株式の比率が下がり、リスクの低い債券の比率が高くなる。ポートフォリオの資産配分は、株式が20%、REITが15%、債券が65%だ。リスク水準で年率8%程度を見込んでいる。

-ファンド名の由来は。

金澤氏 ファンド名の「Ni つみインデックスラップ」の「Ni」は、NISAと日興の「に」から取った。「つみ」は、積立投資の「つみ」だ。分かりやすさと親しみやすさを重視した。

 また、ファンド名に「ラップ」を入れた。ラップには金融機関にお金を預けてお任せで資産運用するというイメージがあるが、そうした運用サービスをお客さまに提供することを目指すファンドだからだ。

-このファンドが想定する投資像は。

金澤氏 インデックスに分散投資するバランスファンドなので、シンプルで分かりやすいファンドを求めている人に適している。また、これから投資を始めたい方の最初の一歩としても、適当なファンドだろう。

 新しいNISAは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設けられ、二つの枠を併用することも可能だ。このファンドは、「つみたて投資枠」で使っていただいても良いし、成長投資枠で利用していただいても良いだろう。また、ラップサービスとNISAの税制優遇の両方を享受したいと考えるお客さまの資金を、このファンドでお預かりすることも可能だろう。

-長期の資産形成で大切なことは。

金澤氏 「長期、積立、分散」を実行することで、心穏やかに資産形成を続けることができるだろう。マーケットがどうなるか、先行きを予想するのは難しい。タイミングを取って投資するのは大変だ。しかし、長期に積み立て投資することで、平均的なマーケット価格で投資することができる。

また、一つの資産クラスや地域に投資したのでは、それが大きく値下がりした時に、大きな影響を受けてしまう。過去の実績を見ると、株式もREITも債券も、長期でみれば右肩上がりで成長していく資産だ。投資する資産クラスや地域を分散して、積立投資を実行すれば、安定的なリターンの獲得が期待できるだろう。

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]