ウェルスナビ、新NISA対応へ準備=「期間の制約がなくなること、非常に有益」
2023年01月31日 13時30分
ロボットアドバイザー最大手のウェルスナビは、同社の自動運用サービス「WealthNavi」で提供する「おまかせNISA」について、2024年にスタートする新しいNISA(少額投資非課税制度)に対応するため、準備を進めていると発表した。
「おまかせNISA」は、NISAの非課税メリットを活用しながら「長期・積立・分散」の資産運用を自動で行う機能だ。新しいNISA制度は「つみたて投資枠」と「成長投資枠」で構成されることから、全体を活用できるように対応する。
同社は「今後も、NISA口座と通常の口座それぞれの部分最適を図るのではなく、お客さまからお預かりしている資産全体の最適化していく」と指摘。イメージ図を公開した。
牛山史朗執行役員 リサーチ&クオンツは、新しいNISAについて「期間の制約がなくなることが、非常に有益だ」と指摘している。「例えば、現在の『つみたてNISA』であれば、30歳の方が投資を始めるとして、50歳になればNISAの非課税期間は終了してしまう。期間が決まっていれば、(非課税で投資できる枠を)使い切らないと損だと考え、無理をして投資をしてしまう方もいるかもしれない。しかし、新しいNISA制度であれば、自分のペースで、焦らずにじっくり取り組むことが可能になる」と話している。
ウェルスナビは、新しいNISAの特長を以下の3点にまとめている。
(1)非課税期間の無期限化
現在のNISA制度では、「一般NISA」は5年、「つみたてNISA」は20年という期間の制約があるが、新しいNISA制度は恒久化される。時間の制約がなくなることで、より長期的に、投資に取り組みやすくなるといえる。
(2)生涯の投資可能枠が1800万円、年間の投資可能枠が360万円に拡大
現在のNISA制度では、年間投資枠は、「一般NISA」で120万円、「つみたてNISA」で40万円と定められている。新しいNISA制度では、年間の最大投資可能枠が360万円となり、大幅に拡大される。投資できる期間に制約はないが、NISA口座を使える総額は、生涯で1800万円となる。
(3)「一般NISA」と「つみたてNISA」の統合
現在のNISA制度では、「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらかを選ぶ必要があり、併用することはできない。新しいNISA制度では、年間360万円の上限の中で、「つみたて投資枠」(つみたてNISAの後継)と「成長可能枠」(一般NISAの後継)の両方の枠を使用できる。現行制度における二つのNISAが制度上統合されることで、より柔軟にNISAを活用しやすくなる。