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インパクト投資、2.5倍に拡大=金融機関や機関投資家で-SIIFがアンケート

2022年04月27日 09時00分

(出所)「日本におけるインパクト投資の現状と課題」2021年度調査-社会変革推進財団(出所)「日本におけるインパクト投資の現状と課題」2021年度調査-社会変革推進財団(クリックで表示)

 社会改革推進財団(SIIF)によると、経済的リターンと社会課題の解決の両立を目指す「インパクト投資」を実施している金融機関や機関投資家は31社(前年は20社)に増加し、残高も1兆3204億円(同5126億円)と2.5倍に拡大していることが分かった。調査は昨年10月から今年1月、580社に実施し、77社から回答を得た。

 戸田満インパクト・オフィサーは、インパクト投資の現状について「実施機関が、財団や学校法人、政府系機関などに広がり、投資するアセットクラスも非上場株式から、債券や融資、上場株式へと多様化している」と分析。今後の見通についても「日本のインパクト投資は『これから成長していく段階』にある。さらに実施機関が増加し、それぞれの投資額も拡大していくだろう」と指摘した。

 インパクト投資とは「経済的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的・環境的インパクトを生み出すことを意図した投資」だ。問題に取り組む企業に民間の資金を振り向けることで、イノベーション(技術革新)を起こし、社会的課題の解決を目指す。岸田文雄首相が1月の施政方針演説で言及するなど、注目が高まっている。

日本におけるインパクト投資の現状と課題

 小笠原由佳インパクト・オフィサーは、今後の課題について「保険や年金などの機関投資家がさらにインパクト投資に取り組むには、こうした制度に加入する一般の人々にインパクト投資の知識を普及し、保険や年金の掛け金の運用が『社会を変える』ことを理解してもらうことが必要だろう」と話している。

 

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