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「お金の流れの地図」で社会と未来を考える=小中学生と春休みワークショップ-東大先端研・飯田研究室とアセットマネジメントOne未来をはぐくむ研究所

2026年04月07日 08時00分

(「お金の流れの地図」と飯田特任准教授)(「お金の流れの地図」と飯田特任准教授)

 東京大学先端科学技術研究センター飯田研究室とアセットマネジメントOne未来をはぐくむ研究所は「春休みワークショップ~未来をつくるお金と科学~」を開催した。小学5年生から中学2年生までの23人が参加した。

 「追い求める未来において、夢や希望はもちろんのこと、『お金』も重要な要素になる」(飯田誠特任准教授)として、子どもたちと一緒に「未来社会とお金のつながり」を考えた。子どもたちは、お金の四つの使い方(消費、貯蓄・寄付・投資)について学んだ後、グループに分かれて共同作業を行い、「お金の流れの地図」を作成した。

 今回のイベントは、OECD「金融教育に関する国際ネットワーク(INFF)」が主催する、こども・若者に対する金融教育・金融包摂の推進のための国際的な啓発活動「グローバル・マネー・ウィーク」の一環として実施された。プログラムは、アセットマネジメントOneと認定特定非営利法人 Teach For Japanが協働で開発した金融経済教育教材を元に構成した。

 飯田研究室の専門分野は、次世代の高効率風力発電システムの研究開発だ。アセットマネジメントOneは、サステナブル関連ファンドの残高に応じて、同社が受け取る信託報酬の一部を寄付する「はぐくむ投資プラス」を実施しており、飯田研究室はこの寄付先の一つ。こうした交流の中から、今回のワークショップが実現した。

◆お金は「どこから来て、どこに行く」と思いますか=伊藤所長

(伊藤所長)(伊藤所長)

 初めに、アセットマネジメントOneの伊藤雅子 常務執行役員企画本部副本部長 兼 未来をはぐくむ研究所長が、子どもたちに「今日は『お金の流れの地図』を作ることが、メインのお題です。お金は『どこから来て、どこに行くか』を考えたことはありますか」と呼びかけた。

 そして「今日のワークショップは、聞いて学ぶではなく、自分たちで参加して、体験して、想像して、声を出して、『お金の流れの地図』を作っていきます。皆さんの発言をリアルタイムでイラストにしてくれるグラフィック・レコーダーの専門家も参加して、大きな地図にまとめる。楽しんで参加してください」とあいさつした。

◆いろいろな人がつながって風車は作られている=飯田特任准教授

(飯田特任准教授)(飯田特任准教授)

 次に子どもたちは、飯田特任准教授と一緒に、「未来社会の作り方」について考えた。

 飯田誠特任准教授は、自身が研究する洋上風力発電所などの次世代の高効率風力発電システムを動画で紹介した上で、「想像することが未来をつくる力になる。想像したものを現実にしようとする取り組みが積み上がって未来社会ができていく。ぜひ未来社会を想像してほしい」と話した。

 その上で「風車はとても簡単な仕組みだが、大きな風車を立てるためには、たくさんのお金や設備や労力が必要になる。さらに、クリーンな再生エネルギーを選んで使う企業が、風車を応援してくれている。いろいろな人がつながって、風車は作られている」と説明した。

◆四つの使い方(消費・貯蓄・寄付・投資)=五十嵐研究員

(五十嵐研究員と「四つのお金の使い方」)(五十嵐研究員と「四つのお金の使い方」)

 次にアセットマネジメントOne未来をはぐくむ研究所の五十嵐さやか研究員と、お金の四つの使い方(消費、貯蓄、寄付、投資)について考えた。グループに分かれて、具体的な例と「もし無くなったらどうなるか」を考えて、発表した。

 五十嵐研究員は「四つの使い方が一つでもないと、困る人が出るし、社会の仕組みが上手に回らない。また、四つの使い方は、必ず社会とつながっていて、だからこそ、お金を使うときには『どこに』『何に』使うか、自分で責任を持って考えないといけない」と説明した。

 また、横軸に『いつ(今→将来)』、縦軸『誰のため(自分→自分以外)』をとって、表に整理すると、「今・自分のため」という消費から、「将来・自分以外のため」という投資まで、四つの使い方の特徴がそれぞれ浮かび上がった。

◆生活からスタート、お金の流れ、つながりを想像する

(グループでの議論風景、中央は伊藤所長)(グループでの議論風景、中央は伊藤所長)

 この後、グループに分かれて、約2時間をかけて「お金の流れの地図」を作成し、発表した。

 最初に、お金の流れの起点になる人物像を設定した。「『家族・年齢』×『職業』×『趣味・休日の過ごし方』×『未来の関心事』」に分けて、裏返しにしたカードから任意に選んだ。今回は、「60代のパン屋さん、スポーツが好きで、地域創生に関心」、「30代の医師、旅行が好きで、環境問題に関心」などを考えた。

 ワークショップでは、①これらの人物像について、できるだけ具体的に「生活や、考え方、お金の使い方」を想像する ②次に、「お金はどこを通って、どこに流れていくか」「さらにどこにつながっていくか」「どんな思いが生まれているか」について、四つの使い方(消費、貯蓄、寄付、投資)を考える ③最後に、「お金の流れの広がり」や「未来とのつながり」についても考える-と、順番を追って範囲を大きくしていった。

◆お金の流れから見えてきた「無限ループ」

(お金の流れを考えたメモと矢印で埋め尽くされたテーブル)(お金の流れを考えたメモと矢印で埋め尽くされたテーブル)

 食品や自動車を買うと、お金はスーパーや販売店を通じて、農家や工場に流れ、従業員の給料になったり、原料の購入や設備投資に充てられたりする。従業員の給料は、さらにその先の消費につながっていく。チョコレートを購入すると、海を越えて、カカオ豆の産地にまで、お金は流れていく。

 新しいエネルギーや新薬を開発する企業に投資することで、新たなクリーンな電力が提供されたり、難病の薬が開発されたりして、社会に恩恵が返ってくる。地域創生のための寄付で町が活性化すると、人口が増えて、お客さんが増える。税金を納めることで、公園や学校で作られ、地域の人が利用できるようになる。

 「お金は、無限ループで回っている」-。子どもたちから、驚きの声が上がった。

◆個人の思いを出発点に、お金の流れが広がり、未来につながる

(「お金の流れの地図」を書き込むグラフィック・レコーダー)(「お金の流れの地図」を書き込むグラフィック・レコーダー)

 伊藤所長は、「お金の流れは、それぞれの人の『思い』から始まって、中には自分たちに返ってきているものもある。スーパーの先には工場や農家があり、そこで新しい物が生まれる。大人の世界では『サプライチェーン』と呼ばれています。皆さんは、今日のワークショップで、中心人物の『思い』を広げて、自分たちで想像して、そこにたどり着いたことは、すばらしいです」と評価した。

 また、「いろいろなものがお金の流れでつながって、使ったお金はそこに留まることなく、いろいろな社会課題を解決し、社会を豊かにし、給料だけでなく、さまざまなリターンを生み出して、戻ってくる。『お金にはいろいろな使い方があること』を考えてもらえたことも、とても良かった」と話した。

 飯田特任准教授は、「お金の流れを考えて、つながりを感じてもらえたことが、一番の成果だ。つながりを考えると、勉強がたのしくなる。将来、どんな仕事に就こうかなと考える時に、こうしたつながりを意識しながら考えてもらうと、自分の未来戦略が作れるのではないかと思う。お金の話だけど、人生の話につながる」と、子どもたちにエールを送った。

 

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