「日本コンテンツIP関連成長株ファンド」を設定=アニメ・ゲーム・キャラクターなど日本のポップカルチャーに着目-三菱UFJアセット
2026年05月15日 07時00分
(小島氏) 三菱UFJアセットマネジメントは、日本株投信「日本コンテンツIP関連成長株ファンド<愛称:ジャパン・ポップカルチャー>」を設定した。アニメやゲーム、キャラクターなどの日本のポップカルチャーをけん引するコンテンツの知的財産(IP)に関連する企業に投資する。株式運用部エグゼクティブファンドマネジャーの小島直人氏らに、ファンドの特徴や魅力を聞いた。
◆人々に愛され、生活に彩りを添える存在
-ファンド設定の経緯は
川島康太氏(商品開発部チーフマネジャー) 商品開発部では定期的に新ファンドのアイデアを議論する会議を開催している。当ファンドの着想は、若手社員から提案されたものであり、株式運用部や営業部と議論を重ねる中で内容を磨き上げた。
検討を進める中で、コンテンツIPという投資テーマとしての成長性に加え、お客様にとって分かりやすく、身近に感じられる分野であることも重視した。アニメやゲーム、キャラクターなどに代表される日本のポップカルチャーは、時代や文化を越えて人々に愛されており、関連する企業や商品・サービスも広く認知されていることから、投資対象として理解しやすい点に特徴がある。
また、コンテンツは政府が掲げる17の戦略分野の一つに位置付けられており、コンテンツ産業は今後の日本を支える重要な産業の一つとして期待されている。
◆海外でファンを獲得、継続的に収益化する時代に
-このファンドの運用方針は
小島直人氏(株式運用部エグゼクティブファンドマネジャー) 日本のコンテンツ産業は、国内だけで完結している時代から、世界でファンを獲得して継続的に収益化していく時代に移っている。①コンテンツIPを軸とした中長期の構造的な成長 ②日本発のコンテンツの海外展開 ③政府が推進する日本成長戦略-という3点に注目している。
◆コロナ禍を経て成長加速
-コンテンツ産業の現状は
小島氏 日本のコンテンツ産業は、コロナ禍を経て、成長が加速している。元々、映画、ゲーム、アニメといった強固な基盤を生かして、有力なIPが育っていた。そこへ巣ごもり経済をきっかけに海外顧客との接触機会が増加する中、マルチメディア戦略が奏功して、海外売り上げが成長をけん引している。
日本のコンテンツ産業は、一部の熱狂的なファンに支持されるだけでなく、グローバルな市場で継続的に収益を生む産業になっている。この構造変化は、一時的なブームにとどまることなく、長期的な成長トレンドとして見るべきだと考えている。
◆マルチメディア展開で、継続性・拡張性が高まる
-コンテンツIPビジネスの特徴は
小島氏 この産業の特徴は、一つのヒットが複数の事業に広がっていくことだ。「ゲーム⇒アニメ⇒映画⇒関連グッズ」というように、マルチメディアに展開することでIPの領域が拡大し、シナジーを発揮して複数の収益源を生み出していく。
ここでのポイントは、IPのヒットは単発で終わることなく、その後も新作、リメーク、映画化、メディア配信、商品化を通じて、長期にわたって収益を広げることができることだ。コンテンツIPビジネスは「当たってから広げるビジネス」といえる。この継続性、拡張性が魅力だ。
◆2033年に海外売上高で20兆円
-コンテンツ産業の市場規模は
小島氏 世界のコンテンツビジネスの市場規模は135兆円と言われている。この中で、日本の輸出額は約5.7兆円(2023年)にとどまっており、日本の存在感は十分に高いとは言えない。ただ、見方を変えると、日本の輸出ポテンシャルは極めて大きく、ビジネスチャンスがある。
高市政権は、戦略17分野の中で、コンテンツ産業について、2033年に海外売上高を20兆円に拡大する政府目標に掲げている。
デジタル化の進展により、SNSを通じて自らプロモーションを行ったり、動画配信など提供手法を内製化したりすることで、中間段階のコストを削減し、一気通貫で売上高や利益を大きく伸ばす余地があるのではないかと考えている。
◆関税等の外部環境に左右されにくい業界
-値動きの特徴は
小島氏 我々が考えるコンテンツIP業界を対象とした過去データでシミュレーションしたところ、ボラティリティは東証株価指数(TOPIX)に比べてやや大きいものの、例えば、関税問題などでTOPIXのパフォーマンスがマイナスになった2022年も、コンテンツIPのシミュレーションデータはプラスを維持した。このカテゴリーの企業群が、景気や地政学リスク、関税等の外部環境に左右されにくいためだと思われる。
◆AIを活用、幅広くスクリーニング
-ファンドの運用方針は
小島氏 日本が強みを持つコンテンツIPは、今後も海外に広がる可能性が高い。また、一度生まれたヒットが多面的に収益化され長く続く、魅力的な領域と捉えている。その中で、勝てる企業を見極めて、中長期の成長を捉えていきたい。
テクノロジーの進化とプラットフォームの普及が、ゲームとアニメの消費・体験価値を根本から押し上げると考えており、ゲーム市場、アニメ市場、それぞれの成長ドライバーを捉えて銘柄を選択していく。運用チームでは、バリューチェーンを細分化し、勝ち組企業の特徴を考え、アルファ(超過収益)を獲得する確度を高めていきたい。
また、銘柄の発掘に当たっては、有価証券報告書をベースに、生成AIのテキストマイニングを活用して、「真のIP・プラットフォーム企業」をスクリーニングしている。セクターの概念にとらわれることなく、エンタメ企業を捉えていく。
◆技術革新で広がるビジネス
-コンテンツIPビジネスの今後は
山崎耀氏(株式運用部ファンドマネジャー) コンテンツIPビジネスは、配信を軸に他メディアに展開を広げて体験価値を拡張することがポイントになる。最近は「推し活」ということでグッズを提供することにも領域が広がっている。トレーディングカードは、海外でもゲーム大会が開かれるなど、人気化している。
アウトドアの領域では、テーマパーク、映画館、ゲームセンター、展示会、ライブ、聖地巡礼も候補の一つだろう。さらに先を考えると、今はスマートフォンやタブレットが軸だが、媒体が変われば、これまでなかったような遊び方が出てくることも考えられる。
◆身近な産業、手触り感が魅力
-投資家へのアドバイスは
川島氏 多くの投資家の皆さまに、世界株に投資する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)〈愛称:オルカン〉」や米国株に投資する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などのインデックスファンドをご支持いただいている。そうしたインデックスファンドに続いて、アクティブファンドにも投資してみたいとお考えのお客さまに、次の一歩として当ファンドもご検討いただきたいと考えている。
コンテンツIP関連企業は、お客さまに身近な商品やサービスを提供しており、投資対象となる企業を身近に感じられる手触り感も魅力だ。また、日本を代表する産業の一つとして、今後の成長が期待される、息の長いテーマだと考えている。
また、お客さまのポートフォリオは米国株に偏っている傾向もあるが、「ジャパン・ポップカルチャー」は日本株に投資を行うため、地域分散の手段としても活用いただける。
なお、本商品を紹介する動画も作成し、当社ホームページに掲載した。トイプードルのキャラクターとファンドマネジャーの小島が商品内容を説明するなど、ポップなスタイルで情報発信している。



![オペレーションF[フォース]](https://financial.jiji.com/long_investment/img/opf_banner.jpg)