拡大するIFAビジネス=独立・中立的な立場で、お客さまの生涯の資産運用に寄り添う-W&P代表取締役の三枝氏に聞く
2026年05月25日 07時30分

独立・中立的な立場でお客さまの生涯にわたる資産運用に寄り添うIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)を利用する人が増加している。IFAに取引システムなどを提供するプラットフォーマー大手の楽天証券によると、同社を利用するIFAが仲介する口座数は、20万口座超(前年同月比25.0%増)に、預かり資産は2.5兆円超(同33.9%増)にそれぞれ拡大した(2025年12月末時点)。
W&P代表取締役の三枝浩紀氏に、サービス内容やIFAを利用するメリットなどを聞いた。
-IFAを目指したきっかけは
三枝氏 大学を卒業した後、大手証券会社に就職し、新宿支店などで資産運用コンサルティングに従事した。お客さまと深くコミュニケーションして資産に関わる重要な話をさせていただく、コンサルティングの仕事に魅力を感じた。
ただ、証券のビジネスモデルでは、お客さまと信頼関係を築いたところで転勤になってしまうため、お客さまの人生に寄り添った長期の資産運用に携わることが難しかった。その後、30代半ばになり、コーポレート部門に異動する中で、お客さまの長期的な資産運用に貢献する仕事がしたいと考え、仲間とともにW&Pに参画し、IFAに転身した。
-W&Pの設立の理念は
三枝氏 W&P(Wells & Partners)の設立の中で、「資産とともに、人生のとなりに。」というコーポレートメッセージを設定した。単に資産管理だけではなく、お客さまの人生の伴走者として、資産運用をはじめとする長いライフステージに寄り添える存在でありたいと考えた。
社名の「W」には、ウェルズ(Wells、知識の源泉)を活用し、お客さまのウェルス(Wealth、資産)とともに、ウェルビーイング(Well-being、身体的・精神的・社会的に良好な状態)に貢献するという思いを込めた。「P」であるパートナー(Partner)として添い遂げていきたいと考えた。
また「&」には、お客さまと「ともに」歩みたい、お客さまに「安堵(あんど)」していただきたいとの願いを込めている。
-IFAとして目指すサービスは
三枝氏 金融機関から独立した「中立・公正」の立場で、投資家の視点に立った最良なアドバイスの提供を目指している。会社都合の転勤がないため、「長期」の視点で、お客さまの運用アドバイザーとして、一生涯にわたる包括的な資産運用に寄り添うこと可能だ。
お客さまとのお付き合いが長くなればなるほど、相談事項も広範囲におよぶ。お客さまの人生の節目に寄り添い、伴走者として支えていきたいと考えている。
-お客さまの相談内容は
三枝氏 当社は、50代のお客さまが多い。第一線で仕事に取り組み、子育てもしてきた方が、セカンドライフに向けて少しずつ自分のことを考え始める世代だ。これまでは、仕事や家族のことが中心だったが、自分の豊かな老後に向けて資産をどう活用したらいいかといった相談をいただく。
最近の相談内容の変化だが、若い人も含めて、インフレに対する不安感が強まっている。現預金だけでは目減りしてしまうと懸念している。
-資産運用サービスの流れは
三枝氏 初めのカウンセリングでは「お客さまがどう在りたいか」「今後どうしていきたいか」という「思い」の部分を重点的にうかがっている。具体的な計画をお持ちの方は少ないので、IFAがそれを引き出し、ゴール(目標)を明確にしていく。
次に、ゴールに向けてどのような準備が必要になるか、数値面で運用方針を策定する。お客さまの声をフィードバックした再提案を繰り返して、プランを練り上げていく。納得していただける資産運用プランができれば、具体的に投資を実行し、継続的にアフターフォローしていく。
―カウンセリングやアフターフォローで心掛けていることは
三枝氏 お金や将来に対する「思い」は、意外と家族にも話していないことが多い。IFAが介在することで、「思い」を家族と共有して、具体化できるケースもある。お客さまが話しやすい環境をつくるように心掛けている。
金融用語はカタカナで難解なものが多いので、平易な日本語で、お客さまのリテラシーに合わせて話している。「一緒に学んでいきましょう」という感覚で、教えるのではなく、並走するイメージでお話ししている。
最近では、地政学リスクが高まっており、紛争が起こることも珍しくなくなった。お客さまは、マーケットへの影響など不安に思うことが多い。そうしたお客さまの不安に先駆けて、情報提供するように心がけている。
資産運用は長期にわたるので、お客さまの心理面でのサポートが重要になる。金融ショックのときなどは「なぜ投資を続けることが大切なのか」を丁寧にご説明している。お客さまのゴールに立ち返り、長期の視点でブレがないかを確認し、問題がなければしっかりと継続することをアドバイスしている。
-退職前後世代へのアドバイスで注目する点は
三枝氏 「投資期間をどれくらい取れるか」が大切だ。退職前世代であれば、賃金収入があるので、キャピタルゲインを狙うような長期投資も一案だろう。
一方で、退職後世代になると、自分のために使うか、次世代に残すかによって、投資スタイルは違ってくると思う。守りながら増やす「資産防衛」に軸を置いた提案になるだろう。
お客さまからは「これまでは自分で資産運用をしてきたが、IFAの目線を入れて、自分の資産管理が適切かどうか診断してほしい」という相談も増えている。さらに、IFAにポートフォリオを定期的にメンテナンスしてほしいという声もいただく。
-若い世代のIFAの活用は
三枝氏 IFAのコンサルティングは資産運用だけではない。20代、30代は、結婚、出産、住宅購入など人生の節目でさまざまなライフイベントが待っている。長期投資をしながら、ライフイベントに合わせた出費の準備を進め、家族構成に合わせてポートフォリオをメンテナンスするなどのサポートできるだろう。
若い人の中には、アンテナを高く張って、さまざまな投資情報に接している人もいる。ただ、情報がたくさんあふれているので、どれが自分にとって良いか分からないという人が比較的多いようだ。
-IFAを利用する意義は
三枝氏 IFAのサービスの良さは、お客さまと同じ側に立って、複数の金融商品の中から最適な商品を選択して、お客さま一人ひとりに沿ったオーダーメードの資産運用を提案できる、中立性だ。
上場株式や債券にとどまらず、資産運用の選択肢はオルタナティブにも広がっているが、プロの目線で質の高い商品を選択し、その内容を分かりやすくお客さまにご説明することがIFAの役割であり、IFAを利用するメリットになるだろう。
さらに、資産運用だけでなく、税理士法人や司法書士法人などさまざまなプロフェッショナルチームと連携しており、ワンストップでお客さまのさまざまな要望に対応できることも、IFAを利用する意義となるだろう。
-親・子など世帯全体のコンサルティングは
三枝氏 50代のお客さまは、高齢のご両親がいらしたり、独立したお子さまがいらしたりする。IFAが入ってコンサルティングを行うことで、世帯全体の資産管理のご提案をすることも可能だ。家族であっても、資産や将来の話はやりにくいものだが、IFAを媒介にして、資産に関して家族で話し合う場を設け、情報を共有することで、世帯全体のWell-beingを高めることができるだろう。



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