長期保有・分散投資が重要に=特定分野や銘柄への集中投資リスクが高まる-UBS SuMi TRUST日本地域CIOの青木氏
2026年07月09日 06時31分
(青木氏) 富裕層向けのプライベートバンク事業等を展開するUBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメントは、「地平線を描く」をテーマに、2026年後半の経済・市場展望と投資戦略について、メディアセミナーを開催した。
青木大樹・日本地域最高投資責任者 兼 日本経済担当チーフエコノミスト マネージング・ディレクターは、「AI投資の拡大などを背景に、今後12カ月にわたり株式市場は力強い利益成長に支えられて上昇するだろう」と予想した。その上で、「特定分野や銘柄への集中投資リスクは高まっており、分散されたコア・ポートフォリオの必要性を改めて示唆している」と強調した。
例えば、相場の下落を待って投資し最高値で売却する「タイミング投資」について、「相場が中長期的に上昇する局面では、株価の下落を待っている期間の機会損失は大きく、売却後に株価が上昇し続ける期間は長く、デメリットが大きい」として、長期保有の有効性を指摘した。
また、債券投資の意義について「クオリティ債のリスク・リターンのバランスは非常に良い。高金利を固定することで、景気に左右されず固定の金利収入が得られる」と述べた。また、「景気悪化の場合は、金利低下による債券価格の上昇も期待できる。逆に金利が上昇したとしても、ドル高や固定された高金利によって債券価格の下落を相殺できる」と指摘した。
さらに、株式と債券に分散投資する効果について、「下落幅を抑制し、回復までの期間を早めることができる」と述べた。過去データを使った試算では、株式のみを保有した場合、弱気相場の下落幅は最大51%、最高値に戻るまでの期間は最大6.2年かかったが、株式と債券を半分ずつ保有すると、下落幅や回復までの期間を半分程度に短縮できた。
このほか、分散投資の対象として、「プライベート・エクィティ」や「プライベート・クレジット」、「プライベート・インフラ」の有効性を指摘した。
「プライベート・エクィティ」は、「新規上場する企業数が減少傾向にあり、上場株式のみで急成長する革新的な企業へのエクスポージャーを得ることは難しくなっている」と指摘。「プライベート市場は、さまざまなライフサイクルの段階にある企業に資本を提供することができ、低流動性の見返りとして魅力的な潜在リターンを提供する」と説明した。
「プライベート・クレジット」は、「米国の市場規模は、非民間金融クレジットの規模と比較して小さく、レバレッジも限定的であり、金融システムのリスク要因にはならないと考える」と述べた。ただ。「一部にコベナンツ(財務条件)の低いファンドがあり、商品の選別と分散が重要だ」と指摘した。
「プライベート・インフラ」は、「参入障壁の高さや、規制・契約に基づく収益構造を背景に、安定的かつインフレに連動したキャッシュフローを生み出す」と分析。「伝統的資産クラスとの相関が低いため、ポートフォリオの分散効果を高め、市場全体の下落局面に対する緩衝材になる」と話した。



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